BRISTOL MYERS SQUIBB COBMY

時価総額
$1085.5億
PER
研究開発から製造・販売まで手掛けるグローバルバイオ医薬品の最大手。がん、免疫、心血管、神経領域の革新的医薬品や抗PD-1などの免疫療法を展開。2024年にKaruna、RayzeBioを買収、ミラティを約48億ドルで買収。米国中心に製造拠点約130サイト、従業員約34,100人で43カ国に展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
103文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
5項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

BRISTOL MYERS SQUIBB COは世界的なバイオ医薬品企業で、がん、血液疾患、免疫、心血管、神経など重篤な疾患に対する処方薬の研究・開発・製造・販売を行っています。主力製品は免疫療法や分子標的薬などの革新的な治療薬で、オプジーボのようなブランドが収益の中核を担っています。

同社の顧客は主に卸売業者、流通業者、専門薬局で、国や地域によっては病院や政府機関へ直接供給することもあります。売上は地域偏重があり、2024年は約71%が米国で発生しており、大口流通パートナーや保険者(PBM)を通した販売や価格交渉が収益に大きく影響します。

同社は事業を単一のバイオ医薬品セグメントとして運営し、研究開発を重視して新薬の創出と既存薬の適応拡大に注力しています。世界に約130か所の製造・研究拠点を持ち、近年の買収(例:Karuna、RayzeBio、Mirati)で神経科学や腫瘍領域のパイプラインを強化しています。

経営方針

同社は長期的な成長と株主還元を目指しています。2024年の売上高は483億ドル(約4.83兆円)に達し、前年から約7%の増収となりました。成長戦略は「大手製薬の資源と規模を持ちながら、バイオ企業のような迅速なイノベーションを行う」ことで、オンコロジー(がん)、血液疾患、免疫、心血管、神経領域など限られた重点領域に経営資源を集中させる点にあります。特定の数値目標としては、企業の生産性改善策で当初は2025年末までに約15億ドルのコスト削減を見込み、さらに取り組みを拡大して2027年末までに追加で約20億ドルの年間コスト削減を達成する計画としており、これを研究・開発や成長投資に再投資する方針です。

同社は重点投資分野で差別化を図っています。研究開発費は2024年に約112億ドルを投じており、内部開発に加えて買収・ライセンス取得を積極的に行うことでパイプラインを強化しています。2024年にはKaruna、RayzeBio、Miratiを買収し、特に神経科学とがん領域のポートフォリオを拡充しました。差別化の手法としては、特定の疾患領域で「変革的な薬」を目指すこと、既存医薬品(例:EliquisやPomalystなど)の成長を維持しつつ、新たな承認薬や適応拡大で市場シェアを伸ばすことで競合と差をつけようとしています。

新市場開拓や事業拡大については、買収と戦略的提携を通じた外部からの成長が明確な柱です。Miratiの買収でKrazati(KRAS阻害薬)を得たことや、神経疾患向けのCobenfy発売、さらにCobenfyの統合失調症やアルツハイマー関連症状など複数の適応に向けた登録試験を進めている点は、適応拡大と新市場投入の具体例です。販路は世界中の卸売業者、専門薬局、大手医療機関を通じており、地域別売上は米国が71%を占める一方で国際売上も拡大を図っており、生産拠点は米国、プエルトリコ、スイス、アイルランド、オランダなど約130拠点の製造・研究ネットワークを活用しています。

技術革新への取り組みでは、同社は差別化された研究プラットフォームを強化し、社内の基礎研究と外部のバイオ企業のスピードを組み合わせる方針です。2024年は買収に伴う取得開発資産(Acquired IPRD)が大きく計上されており、外部技術を取り込むことで早期の価値創出を狙っています。また、企業内改革で効率化を進め、その余剰資源を新薬開発やデジタル・製造技術への投資に振り向けることで、品質・供給の堅持と新薬の早期実用化の両立を図っています。環境・社会・ガバナンスへの配慮も掲げ、持続的な事業運営を目指している点も投資家にとって重要なポイントです。