Builders FirstSource, Inc.BLDR

時価総額
$104.9億
PER
建材・部材の製造供給と施工サービスの米国最大手。工場生産の屋根・床トラス、Ready-Frame、エンジニアードウッドとデジタル設計を展開。1998年以降75件超の買収、2024年に約3.45億ドルで複数社買収、8月に10億ドルの自社株買い枠承認。約590拠点で米国43州展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Builders FirstSource, Inc.は、住宅向けを中心に建材や工場製部材の製造・販売と現場での工事サービスを一体で行う企業です。米国43州に約590の拠点を展開し、工場で作るトラスや壁パネルのほか、窓・ドア・造作材などを供給し、現場での組立や取り付けまで一貫して行っています。

同社の主要な顧客はプロの建築業者やサブコントラクター、全国規模から地域の住宅建設業者まで幅広く、売上は製品販売と施工・納入サービスの組み合わせから成り立っています。近年は大手の住宅建設会社や集合住宅・軽商業向け事業にも注力し、納品を含むワンストップサービスやデジタルツールを通じた設計・見積サービスで収益を拡大しています。

同社は地域別の営業組織を持ちながら、製品群は主に四つのカテゴリに分かれています。工場製品としては屋根・床のトラスや壁パネル、エンジニアード材などを製造し、窓・ドア・造作材では組立やプレハング化したユニットを扱います。さらに外装材や屋根材、断熱材、キャビネット等の専門建材と施工サービス、そして現場で使う寸法木材や合板といった資材を一貫して供給しています。

経営方針

同社は中期的に市場シェア拡大と安定的な収益拡大を目指しています。全米約590拠点(43州)という広いネットワークを活かし、オーガニック成長と戦略的買収の組合せで売上・EBITDAの拡大を図っています。過去からの買収統合の実績は75件以上にのぼり、2024年だけでも約3.45億ドル(簿価ベース)を投じた複数の買収を完了しました。財務面では2024年の営業キャッシュフローは約19億ドルで、株式買戻しプログラムの残枠は5億ドル、さらに資金調達として2024年に10億ドルの社債を発行するなど、資本配分は買収、設備投資、株主還元をバランス良く進める方針です。

重点投資分野は付加価値の高い製造・組立事業とサプライチェーンの効率化です。同社は工場生産の屋根・床トラスや壁パネル、Ready-Frame®などの製造製品、窓・ドア・造作(ミルワーク)といった高付加価値商品に注力しており、これらは単価やマージンが高い点で差別化要因になっています。また、全国的な配送網と大規模な保有車両で「ジャストインタイム」納品を実現し、現場効率を高めることで競合他社に対する優位性を確保しています。コスト面では業務の標準化や自動化、価格・マージン管理、バックオフィス効率化といった施策で利益率改善を狙っています。

新市場開拓は主に「地場の有力ディストリビューターや製造業者を買収して短期間で規模を確保する」戦略です。同社は買収先をローカル市場でのリーダーとして取り込み、その商品の品揃えを拡大するか製造設備を追加して中核プラットフォームへ統合することで、参入後すぐにスケールメリットを出すことを目指しています。実際に2023〜2024年の買収は、西部や南東部、北東部など地域ごとの製造・流通能力を補完する形で行われており、同時にマルチファミリーやライトコマーシャル市場にも営業展開を強めています。

技術革新については基幹システムの刷新と業務デジタル化を最重要課題と位置づけています。2022年決定の新ERP導入は2024年に設計・テストを継続し、2025年から数年かけて段階的に展開する予定で、製造、調達、倉庫管理、配送、見積りから請求までの業務を一体化して自動化を進めます。加えて、工場向けに独自の設計検査・スケジューリングソフトや、図面解析・資材リスト自動化ツール、デジタル見積りサービス(Paradigm)などを活用し、現場の生産性向上と顧客の業務効率化を同時に進める方針です。2025年の設備投資は3.5〜4.5億ドルを見込んでおり、車両や機械、拠点改善を通じて技術と運用の両面での変革を目指しています。