Booking Holdings Inc.BKNG

時価総額
$1491.4億
PER
オンライン旅行予約サービスの最大手。宿泊、航空券、レンタカー、レストラン予約、広告、決済プラットフォームを展開。2024年通期売上237億ドル、2024年に記録的な年間宿泊数達成、2023年の欧州での買収阻止事例。世界220カ国超で展開。

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企業概況
112文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
4項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Booking Holdings Inc.は、インターネットを通じて旅行や外食の予約を仲介する事業を展開しています。同社はBooking.com、Priceline、Agoda、KAYAK、OpenTableなどのブランドで宿泊、航空券、レンタカー、現地ツアーやレストラン予約といったサービスをワンストップで提供しています。

主要な顧客は旅行者(消費者)と宿泊施設や航空会社、レンタカー会社、レストランなどの事業者(パートナー)です。同社の売上は主に予約手数料や決済仲介による「マーチャント」収入、紹介や予約に対する「エージェンシー」手数料、そして広告や店舗向けのサブスクリプション収入が中心です。これらの収益源の組み合わせで大部分の利益を生んでいます。

事業はブランドごとに役割を分けており、Booking.comが世界の宿泊予約の中核、Pricelineが北米の割安路線、Agodaがアジア太平洋に強みを持ち、KAYAKが価格比較(メタサーチ)、OpenTableがレストラン予約と店舗向け管理を担っています。同社は決済機能やロイヤルティプログラム、旅程をまとめる「Connected Trip」の強化、生成AIの活用などでサービスを横断的に拡充し、顧客利便性とパートナーの集客力を高めています。

経営方針

同社はグローバルなオンライン旅行分野での成長と収益性の両立を目指しています。2024年の売上高は約237億ドルを記録し、同年は過去最高の宿泊予約件数(room nights)を達成しました。中期的には「Connected Trip」の実現を通じて顧客ごとに一貫した旅の体験を提供し、航空券やレンタカー、アクティビティの取り扱い拡大で総取扱高を伸ばすことを狙っています。実績では2024年に航空券が前年比38%増と高い伸びを示しており、同社は2025年も運営コストの削減を継続して投資余力をつくる方針です。

重点投資分野は決済インフラ、ロイヤルティ拡充、モバイル体験、並びに在庫の拡充です。具体的には自社の決済機能を広げて予約の摩擦を減らす取り組みや、Booking.comのGeniusプログラムをより多くの旅行カテゴリへ拡大する施策に注力しています。差別化の源泉としては約400万件の宿泊施設(うちホテル等約50万件、民泊等約350万件)という幅広い在庫、複数ブランド(Booking.com/Priceline/Agoda/KAYAK/OpenTable)による顧客接点の多様性、およびKAYAKのメタサーチを通じた比較導線を活用しています。

新市場開拓と事業拡大では地域別の強化と縦断サービスの拡張を進めています。アジア太平洋地域ではAgodaを通じた取り組み、米国ではBooking.comやPricelineのブランド認知向上(スポンサー活動など)による需要喚起を図っています。サービス面ではBooking.comで55以上の市場に航空券を提供するなどフライト領域の拡大や、レンタカー4万2千拠点、空港周辺の地上交通約1,900拠点といった連携を強め、旅行全体をワンストップで構築できる機能を広げる計画です。必要に応じて戦略的な買収や出資も検討していますが、規制審査の影響も受け得る点は留意しています。

技術革新ではジェネレーティブAIや自動化を積極導入しています。消費者向けには旅行プラン作成のAIアシスタントや価格比較ツールを展開し、社内ではAIを用いた業務効率化でコスト抑制とサービス品質向上を狙っています。モバイル経由の予約が増えているためアプリ体験の改善にも投資しており、同時に個人データの保護やサイバーセキュリティ、欧州の新しい規制に対応する独立した監督・コンプライアンス体制の整備にも注力している点が特徴です。