BJs RESTAURANTS INCBJRI

時価総額
$8.9億
PER
フルサービスレストラン事業の大手。高天井の店舗デザインとシグネチャーバー、深皿ピザや受賞クラフトビールなど多彩なメニューを展開。2024年12月にワラント期限を2027年5月まで延長し、460万ドルの費用計上。米国で218店舗、31州展開。

事業内容

BJs RESTAURANTS INCは、米国でフルサービスのレストランをチェーン展開する企業で、活気ある店内雰囲気と多様な料理、独自のクラフトビールを主力としています。同社は高品質な食材と「オペレーショナルエクセレンス」を掲げ、店内でのフルサービスに加えテイクアウトやデリバリーにも対応しながら出店を進めています。

主要顧客は家族や友人のグループ、ショッピング客など幅広い消費者層で、売上の大半は店舗での飲食販売から得ています。同社はテイクアウト、デリバリー、ケータリングやバーでの飲料販売も収益源としており、来店ベースの売上が収益構造の中心です。

事業は単一の営業セグメントで、タバーンカットやディープディッシュなどのピザ、スローローストの大型肉料理、ヘルシー志向メニューに加え自社醸造ビールを主な製品ラインとして展開しています。同社は店舗改装やIT・サプライチェーンの強化を通じて顧客体験と運営効率を高め、全米で多数の直営店を運営しています。

経営方針

同社は「Gold Standard of Operational Excellence」を掲げ、フルサービス外食市場でのシェア拡大を目指しています。直近では2025年2月時点で米国31州に218店舗を展開しており、そのうち59店舗がカリフォルニアに集中しています。成長の方向性は既存店の既存客維持と新規出店による全国展開の両輪で、選定した既存店のリモデルも継続しており、これまでに約70店舗を改装済みで2025年も追加改装を予定しています。マーケティング投資は売上比で約2.0%が目安で、2025年は2.0〜2.5%を見込んでおり、これらの投資を通じて平均週次売上や来店頻度の向上を図ろうとしています。

同社は商品・施設・体験の3点で差別化を図っています。メニュー面では約20種類のシグネチャーピザや、時間をかけて調理する大型ローストなど多様な選択肢を用意し、「EnLIGHTened」など健康志向メニューも揃えています。また各店に設けた“バーの存在感”や高天井・大型モニターといった高エネルギーの店内演出、リネンや専用グラスなど顧客接点の質向上に投資しており、これが同社の顧客体験の中核になっています。調達面では主要食材については複数の供給源を確保し、期間1年程度の固定価格契約を活用するなどコスト変動リスクの管理も行っています。

事業拡大と資本配分では、自社株買いを重視する姿勢が明確です。2014年開始の買戻し計画で累計約5.14億ドルを取得しており、2024会計年度は約75.7万株を平均33.20ドルで取得・消却(約2,510万ドル)しました。取締役会は2024年と2025年に各50百万ドルの増額を承認しており、総枠600百万ドルのうち現時点で約82.5百万ドルが残っています。一方、現金配当は2020年に凍結しており、当面は再開を前提とせず、設備投資・改装・出店と株主還元のバランスで資本を配分しています。出店形態は多くが賃貸で店舗面積は概ね7,000〜8,500平方フィート、ブリューパブなど土地保有の例外もあります。

技術革新にも力を入れており、同社は店舗運営の効率化と顧客利便性の向上を目的に、端末での注文入力やオンライン注文・注文追跡、キッチンやバーの自動化、労務管理や在庫管理のシステムを導入しています。会計や人事は集中管理し、クラウド型サービスや自社開発ソフトを組み合わせることで現場と本部の情報を連携させています。加えて情報セキュリティ対策として外部監査を年1回以上実施し、米国の公的な基準に準じた枠組みでの評価や災害復旧計画を維持するなど、データと営業継続性の両面で備えを強化しています。