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BLUE BIOFUELS, INC.BIOF
事業内容
Blue Biofuels, Inc. は、植物由来のセルロースを糖とリグニンに変換する独自技術(CTS)を基盤に、再生可能燃料とバイオ化学品の原料を生産することを目指す技術開発企業です。同社は連続的な機械・化学的ドライプロセスで可溶性糖を主製品として得る技術を保有し、その糖を原料にしてセルロース系エタノールやジェット燃料などのバイオ燃料に加工する事業を進めています。
同社は現時点で実質的な収益をまだ得ておらず、事業化に向けた初期段階にあります。将来の収益源としては、可溶性糖や下流のバイオ燃料の販売、CTS技術のライセンス供与やジョイントベンチャーによるプラント運営収入に加え、米国のクリーン燃料生産クレジット(インフレ削減法に基づくセクション45Z)や低炭素燃料基準(LCFS)に関連するクレジットの取得を見込んでいます。
事業の柱は、CTS技術の機器化とプラントでの商業生産の二本立てです。同社は製造パートナーと協業してCTS機械を製造し、まず米国内での第一号プラントを稼働させて採算性を確立した後、追加プラントの建設や海外でのライセンス供与や現地パートナーとの合弁を通じた展開を計画しています。組織は少人数の社員と複数のコンサルタントで技術の実証と商業化を進めています。
経営方針
同社はまず商用化の早期達成を成長の第一目標としています。具体的には、まずセルロースを糖に変換する特許取得済みのCTSプロセスを搭載した「第一プラント」を稼働させ、これが黒字化した後に米国内で複数の追加プラントを建設して規模を拡大する計画です。持続可能な航空燃料(SAF)生産を念頭に置いたVertiBlue Fuelsとの共同事業には、同社自己負担分として概算で15百万ドルから100百万ドルの資金が必要と見込まれており、同社はこの資金調達後18〜24カ月で同じ合弁事業からの収益化を目指しています。加えて、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act)に基づくClean Fuel Production Credits(セクション45Z)や、カリフォルニア等でのLow Carbon Fuel Standardクレジットの取得を通じて事業収益の改善を図る方針です。
同社は技術投入と差別化を成長の核と位置づけています。CTSは連続的な乾式の機械・化学プロセスで、植物由来の原料を可溶性糖とリグニンに分離する点が特徴で、この糖はセルロース系エタノールやジェット燃料、化学品に加工可能です。差別化策として、製造パートナーのK.R. Komarekと協力して最大で毎時50トンの処理能力に対応する機械を調達・製造するとともに、特許とノウハウを活用してライセンス提供やジョイントベンチャーでの水平展開を目指しています。現在は従業員がフルタイム6名、パートタイム1名、コンサル7名で、商用化を加速するための人員採用と経営者への株式報酬(RSUやストックオプション)で人材確保を図っており、CEOらへの報酬・インセンティブの一部は次回の5000万ドルの資金調達に連動しています。
同社は海外を含む新市場開拓を積極的に検討しており、第一プラントの成功後は米国内の複数拠点展開に続いて、CTS技術のライセンス供与か現地パートナーとの合弁での現地プラント建設による国際展開を目指しています。財務基盤はまだ脆弱で、2024年末時点の現金は約48,800ドル、運転資本は約マイナス2.13百万ドル、株主資本は約マイナス2.85百万ドルという状況ですが、2024年はコンバーティブルノートで93万ドル、普通株発行で19.7万ドルを調達し、DOEのSBIR助成金(Phase IIで1.15百万ドル、内285,000ドルは2024年に収益計上)も獲得しており、こうした外部資金で第一段階の実装と拡張資金の獲得を目指しています。
同社は技術革新を経営の中心に据え、CTSの実用化・スケールアップに重点投資しています。2018年に発明されたCTSは既に二件の特許を取得しており、DOEのSBIR支援(Phase Iで206,500ドル、Phase IIで1.15百万ドル)を受けて商業化準備を進めています。具体的施策としては、機械・設備投資による処理能力向上、Komarekとの製造協業による量産体制の構築、パテントとプロセスの最適化による歩留まり改善とコスト低減、さらに外部クレジット(Clean Fuel Production CreditsやLCFS)を事業収益に組み込む仕組み作りを進めており、同社はこれらにより技術面での競争優位を確立することを目指しています。