BIMI Holdings Inc.BIMI

時価総額
$1158.96
PER
医療機器・医薬品の卸売と調剤薬局・病院運営の有力企業。店舗での血圧測定など付帯サービスと低温物流を展開。2020年3月の買収や2022年の約540万ドルののれん減損、複数の転換社債の株式化を実施。中国国内と一部米国で展開。

事業内容

BIMI Holdings Inc.は中国を中心に、医療機器と医薬品の卸売、調剤薬局の運営、病院や治療センターなどの医療サービスを手がける企業です。主力は卸売と小売の薬局事業で、医療機器や処方薬を仕入れて医療機関や消費者に販売しています。

同社の主要顧客は病院・クリニック・薬局などの法人と、薬局を利用する一般の消費者で、収益は卸売販売、薬局での小売販売、病院での診療収入が中心です。加えて、メーカーからの販促手数料や政府の集中調達・入札による大口取引も収入源になっています。

同社の事業は大きく卸売医療機器、卸売医薬品、調剤薬局チェーン、病院・医療サービスの四つのセグメントに分かれています。各セグメントで在庫管理や品質管理、必要に応じた低温配送などの物流機能を備え、店頭やネットでの販売強化や買収による地域拡大、メーカーとの共同販促にも取り組んでいます。

経営方針

同社はまず財務の立て直しと事業規模の拡大を両輪に据えた成長を目指しています。直近の決算では2022年に約2,240万ドルの純損失、累積赤字は約7,014万ドルと厳しい状況が続いており、経営陣は追加資金の調達と売上拡大によって「継続企業」としての立て直しを図ることを目標に掲げています。具体的には外部からの公的・私的資金調達や株式・債務の組み替えを含む資金調達を進める一方、短期的に営業キャッシュフローの改善とコスト管理を強化する施策を実行しています。

重点投資分野は卸売医療機器・医薬品、店舗小売、そして病院・医療サービスの三領域で、同社は事業横断でのシナジー創出を差別化の柱としています。卸売では大手・地域メーカーとの仕入れ関係を維持しつつ複数の供給先を確保し、品質管理は仕入れ時と配送時の検査、温度管理車両の運用などで徹底しています。小売面では店頭プロモーションやメーカー負担の販促を活用して顧客のリピートを狙い、医療サービス面では買収で取得した拠点の再編・最適化を行うことで収益性の早期回復を目指しています。

新市場開拓と事業再編では、低採算と判断した病院事業の一部について筆頭株主に大部分を譲渡するなど資産の整理を進め、リスクの高い資産は「売却・少数持分化」して資金回収とリスク低減を図っています。一方で販路拡大のためのM&Aや提携は継続しており、例えばPhenixの買収(現金18万ドル+将来の業績条件に応じた株式報酬)など流通網強化を目的とした投資を行っています。さらに政府調達や病院への直接販売、オンライン販売アプリ経由の販売拡大などチャネル多様化で市場浸透を図る計画です。

技術革新と内部統制の強化にも取り組んでおり、同社はオンライン販売基盤の構築や物流管理のデジタル化に投資する方針です。社内の情報システムや会計・報告体制の改善に外部コンサルを導入し、財務報告の透明性向上と内部管理の強化を進めています。また、IT人材も補強しており(報告時点でIT従業員は約6名)、顧客データ活用による販促の最適化やコールドチェーン管理の精度向上など、事業運営を支える基盤整備を進めることで競争力を高めようとしています。