BILL Holdings, Inc.BILL

時価総額
$48.5億
PER
クラウド型バックオフィス向け決済・支出管理ソフトの有力企業。請求・支払自動化とAI活用の支出管理プラットフォームを展開。22年11月にInvoice2goを6.743億ドルで買収。顧客47万4,600社、ネットワーク約710万メンバー、主に米国で展開。

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企業概況
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事業内容

BILL Holdings, Inc.は、中小企業の経理・資金管理を効率化するクラウド型プラットフォームを提供しています。 同社は請求書の作成・受領、支払いの自動化、法人カードによる支出管理などを一つのシステムで扱えるサービスを展開しています。

同社の主要顧客は中小企業とそれらを支援する会計事務所や金融機関で、顧客は業務効率化やキャッシュフロー管理のために同社のサービスを導入しています。 収益は月額利用料や取引ごとの手数料、カード手数料、付随する導入・サポートなどから得ており、提携先経由の導入やネットワーク効果で利用者基盤を拡大しています。

事業は主に買掛金管理(支払い自動化)、売掛金管理(請求と受取)、および法人向けカードと支出管理のラインで構成されています。 同社は会計ソフトとの自動連携や銀行向けの白ラベル提供、外部開発者向けの接続機能を通じてエコシステムを広げ、Invoice2goの買収などでモバイル請求や小規模事業者向けの売掛管理機能を強化しています。

経営方針

BILL Holdingsは中小企業向けの財務オペレーションプラットフォームとして、顧客基盤の拡大と収益性の両立を成長戦略の中核に据えています。2024会計年度末時点で約474,600の事業者が同社のソリューションを利用し、同年の総取扱高(TPV)は約2,924億ドルに達しました。ネットワーク会員数は約710万人にまで拡大しており、同社はこれらの規模を活かして売上拡大と継続的な収益化を目指しています。株主還元面では取締役会が最大3億ドルの自社株買いプログラムを承認しており、資本効率の向上も重要目標としています。

同社は支払・入金・支出・経費の4機能を一体化した製品群に重点投資を行い、会計ソフトとの双方向同期や金融機関・会計事務所とのパートナーシップで差別化を図っています。特に自社の決済エンジンと独自のリスクモデルを用いて数十億ドル規模の決済リスクを管理しており、請求書の自動作成や与信判定などAIを活用した付加価値機能を提供しています。成長のためのM&Aも積極的で、請求書発行・入金分野の強化を目的にInvoice2goを約6.74億ドルで買収するなど、既存製品とのシナジーを重視した投資を行っています。

新市場の開拓については国際展開と埋め込み型(エンベッド)ソリューションの展開を計画しています。現時点では海外売上が総売上の3%未満と小さいため拡大余地が大きく、Invoice2goのオーストラリア事業の取り込みにより海外での受注基盤を強化しています。加えて金融機関向けのホワイトラベル提供やAPIを通じたサードパーティーへの組み込みを進め、パートナー経由での顧客獲得を加速させることで市場浸透を図ろうとしています。同社は販売面でも直販の強化とパートナーセールスの併用により、SMB向けの浸透率を高めることを目指しています。

技術革新では「データ資産」を最大の強みと位置づけ、数百万件の月次取引や文書処理から得られる情報をAIに学習させて自動化と精度向上を進めています。同社は研究開発に継続的に投資し、請求書自動生成や不正検知の精度向上、決済フローの自動化を推進しています。またセキュリティ面ではSOC1・SOC2 Type II認証やNIST準拠の運用、外部による脆弱性検査を継続的に実施しており、技術基盤と信頼性を両輪で強化することで顧客とパートナーの信頼獲得を目指しています。