Braemar Hotels & Resorts Inc.BHR

時価総額
$1.9億
PER
高級ホテル投資の有力企業。高RevPAR(2024年の米国平均の約2倍基準)ホテル投資を主力、15物件・総客室3,807室を展開。23年2月のSeries E・M優先株発行で約4.17億ドルを調達。米国7州・DC、プエルトリコ、米領ヴァージン諸島に展開。

事業内容

Braemar Hotels & Resorts Inc.は、宿泊あたりの収益が高いラグジュアリーホテルやリゾートに重点的に投資する不動産投資信託(REIT)です。同社は米国本土と領土にある都市型・リゾート型のホテルを保有し、所有を通じて宿泊、飲食、付帯サービスからの収益獲得を目指しています。

主要な顧客は個人のレジャー客、団体、ビジネス客で、収益は主に客室売上と飲食、スパや会議などの付帯サービスから発生します。需要は季節や地域で変動し、一部の大型ホテルが収益の大きな割合を占めるため四半期ごとの売上が変動しやすい点が特徴です。

同社は事業を「直接ホテル投資」の単一セグメントで報告し、各ホテルの収益性を個別に評価して取得・改善・売却の判断を行っています。日々の運営は外部のホテル運営会社に委託し、資産管理や投資判断、各種サービスの手配はAshford LLCなどのアドバイザーやその関連会社が担っています。資金調達は変動金利中心の借入や優先株発行、共同事業などを組み合わせ、資産に対する純負債35%程度のレバレッジを目標としています。

経営方針

同社は高付加価値のラグジュアリーホテルに絞った成長を目指しています。投資基準として、米国の宿泊業平均の少なくとも2倍のRevPAR(稼働率×客室単価)を想定しており、2024年の基準では概ね1室当たり約$398以上を目標としています。現在は15物件、総客室数で約3,807室(純計3,667室)を保有しており、資金面では総負債が約$12億、加重平均金利は約7.23%で、純負債対総資産でおおむね35%のレバレッジをターゲットとしています。

重点投資分野は一貫してプレミアムブランドと高収益の独立系ラグジュアリーホテルで、主に米国本土とその準拠領域の都市・リゾート市場を狙っています。差別化の源泉は高いRevPAR水準と、改装・リポジショニングやブランド変更等による価値向上です。こうした施策での「安定化」は改修やブランド変更後12〜24か月で達成する想定で、資金調達は手元資金、借入、株式発行、共同事業などを柔軟に組み合わせる方針です。直近ではシリーズE優先株の発行で純収入約$369.5百万、シリーズMで約$47.6百万を調達しています。

新市場開拓や事業拡大は慎重な地域集中戦略に基づいており、供給過剰リスクが低く成長が期待できる都市・リゾートを優先しています。物件取得は単独買収だけでなくジョイントベンチャーやパートナーシップ、持分交換や株式を対価とする手法も活用し、必要に応じてCMBSや長期ローンを組み合わせた再融資も行います。実際に2024年には既存ローンの組み替えで$4.07億の住宅ローンにまとめる一方、関連するCMBSの一部(額面約$42.2百万)を取得するなど、資本構成の最適化を図っています。

技術面では運用会社であるAshfordグループと連携したサイバーセキュリティや運営支援に注力しています。具体的にはリスク管理、アクセス制御、マルウェア対策、インシデント対応や事業継続計画の整備を進めており、宿泊体験向上のためモバイルキー(OpenKeyなど)や音響・映像設備といったゲスト向け技術も導入しています。さらに投資判断ではSTRのベンチマークやホテル別の調整後EBITDAを主要指標として用い、資本コストや金利ヘッジの選択も含めて収益性を高める実務的な技術・財務運用を行っています。