Brighthouse Financial, Inc.BHF

時価総額
$37.5億
PER
年金・生命保険事業の大手。変額年金、固定年金、ULSGなどの保険商品を展開。2024年12月31日時点で配布ネットワーク400超、2023年11月に最大7.5億ドルの自社株買い枠承認。米国中心に展開。

事業内容

Brighthouse Financial, Inc.は米国を拠点に、主に退職後の所得確保や資産形成を支援する年金商品と生命保険を販売する保険会社です。個人向けの年金(固定、変額、インデックス連動など)や各種生命保険を中核製品として取り扱っています。

同社の主要な顧客層は退職を意識する個人投資家やリタイアメント世代で、販売は銀行や証券会社、独立系の金融アドバイザーなど多数の外部流通業者を通じて行っています。収益は保険料・手数料、保有契約に対する運用収益や運用利ざや、そして契約に付帯する保証や特約に対する料金などで構成されています。

同社の事業は大きく年金部門、生命保険部門、そして売止めとなった既存契約を管理するランオフ部門や企業関連の「コーポレート&その他」に分かれています。年金部門では変額年金に付く生存給付特約や一時払・積立型の固定年金、インデックス連動年金などを扱い、生命保険部門ではユニバーサル型や終身保険、介護給付を組み込んだハイブリッド商品などを提供しています。ランオフ部門では旧来の契約ブロック(構造化和解や年金リスク移転など)を個別管理し、コーポレート部門は資本配分や資金調達、余剰資産の運用などを担っています。

経営方針

同社は、米国で大手の年金(アニュイティ)および生命保険プロバイダーとして、安定した純収益と資本効率の向上を両立させることを目指しています。具体的には短期流動性を堅持しながら事業投資と株主還元を両立しており、2024年12月31日時点で短期流動性は約52億ドル、流動性の高い資産は約481億ドルを保有しています。加えて、株主還元策としては2023年11月に追加で7.5億ドルの自社株買い枠を承認しており(2021年の12億ドル枠に上乗せ)、2024年第四四半期には約123万株を買い戻すなど、余剰資本の配分を重視しています。

成長と差別化の柱は、アニュイティ(年金)と生命保険の二本立てにあります。同社は独立系流通網を最大の強みと捉え、全国・地域のブローカーディーラーや銀行、独立系ファイナンシャルプランナーを含む400以上の販売パートナーと連携しています。商品設計面では「シールド・アニュイティ」など長期保証商品を改良して市場に投入し、商品ごとにヘッジや再保険を駆使して価格競争力と資本効率を高めるという戦略を取っています。販売支援では戦略的リレーションシップマネジャーや内部・外部のホールセラーを配置し、販売チャネルごとのサービスで差別化を図っています。

新市場開拓や事業拡大は、既存チャネルの深堀りと商品改良が中心です。2024年にはシールド・アニュイティの改訂版を投入し、新規契約を立てながら残存ブロックの整理(ランオフ)も並行しています。再保険や譲渡によるリスク移転も活用しており、再保険回収可能額は長期介護等で約54億ドルにのぼります。また、買収や資産売却を通じたポートフォリオ最適化を行う方針で、取締役会と経営陣は資本計画や格付けを考慮した資本配分を継続的に見直しています。

技術革新とリスク管理への取り組みも重要視しています。同社はキャッシュフローやストレステストを日次で監視する体制を整え、ローリング12か月の資金見通しに基づき資産配分を調整しています。金利や株価の変動リスクについては、金融派生契約(利率や株価の変動を抑える契約)を用いて商品別にヘッジを行い、評価指標として経営陣は調整後利益(市場ノイズを除いた管理指標)を用いて業績を評価しています。採用や引受のデジタル化、継続的な経験値分析などにより、引受基準と価格化プロセスの精度向上を図っている点も同社の特徴です。