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BERRY GLOBAL GROUP, INC.BERY
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事業内容
Berry Global Group, Inc.は世界的な包装資材の大手メーカーで、消費者向け製品や医療・衛生用途向けの容器、袋、不織布など幅広い製品を設計・製造しています。同社は設計から製造まで一貫した体制と大型の生産ネットワークを活かし、ブランド保護や利便性、輸送時の保護を目的とした包装ソリューションを提供しています。
主要な顧客は食品・飲料、医療、化粧品・パーソナルケアといった消費者向けメーカーが中心で、顧客は大手から地域企業まで多様です。同社は顧客基盤を分散させており、2024年度は単一顧客が売上の5%を超えず、上位10社で約14%を占める収益構造になっています。
事業は大きく四つのセグメントに分かれており、国際向けの硬質容器事業が約32%、北米向けの硬質容器事業が約24%、軟質包装事業が約23%、不織布や衛生・特殊製品事業が約21%を占めています。同社の軟質包装には伸縮フィルムや食品用フィルム、小売り用袋、業務用袋などが含まれ、不織布事業は医療用や衛生用品、特殊用途向け製品を扱っており、2024年11月に不織布事業の分社化と他社との統合を実行して今後は中止事業として開示する予定です。
経営方針
同社は成長と財務健全化を両立させることを成長戦略の柱としています。2025会計年度については、営業活動によるキャッシュフローを11.25億〜12.25億ドル、フリー・キャッシュフローを6.0億〜7.0億ドルと見込んでおり(設備投資は約5.25億ドルを想定)、これらの現金創出力をもとに配当や自社株買いを通じた株主還元を強化しています。実際に取締役会は2024年11月に四半期配当を1株当たり0.31ドルに引き上げ、過去には取締役会承認の下で最大10億ドルの買戻し枠を設定するなど、資本効率の改善を目指しています。
同社は重点投資分野を持続可能な包装と生産性向上に絞って差別化を図っています。具体的には「2025年までに100%再利用・リサイクル・堆肥化可能な包装」「2030年までに循環原料比率を30%に引き上げる」といった明確なサステナビリティ目標を掲げ、原材料の循環化や低炭素化に投資しています。また工場再編・合理化によるコスト削減策として総額約2.5億ドルの統合費用を見込み、製造効率や原材料コスト転嫁力の改善で競争力を高めることで、規模の優位性を差別化要因としています。
新市場開拓と事業再編でも積極的に動いています。事業ポートフォリオの最適化として、2024年11月にヘルス・ハイジーン関連事業のスピンオフを実施し、同事業の合併案件を進めたほか(スピンオフは2024年11月4日に実施)、スペシャリティテープ事業については約5.4億ドルの売却契約を締結して2025年早期の完了を目指しています。加えて射出成形の高生産性技術を持つF&S Tool社を6800万ドルで買収するなど、用途拡大や高付加価値製品へのシフトを通じて成長領域への展開を図っています。なお事業構成(2024年度)は、消費者向け包装(国際)32%、北米24%、フレキシブル製品23%、ヘルス・ハイジーン21%となっており、地域・製品の多様性を武器に需要変動を吸収しています。
技術革新への取り組みでは、素材設計と工程改善を通じた「機能と環境性能の両立」を重視しています。同社は軽量化やバリア性能を高める素材開発、リサイクル材やバイオ由来原料の採用、包装設計の最適化に資源を投じており、これらは2030年の循環原料目標など具体的なKPIに結び付いています。さらに製造設備や自動化への投資を通じて生産性を向上させる計画で、2025会計年度に想定する約5.25億ドルの設備投資は能力拡充と技術更新の両方に充てられる見込みです。