FRANKLIN RESOURCES INCBEN

時価総額
$110億
PER
投資運用・資産管理の大手、創業1947年。ミューチュアルファンド、ETF、機関別口座、オルタナティブ商品を展開。2024年1月にプットナムを買収、Great‑Westが約6%出資。米国・欧州・アジアを中心にグローバル展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

FRANKLIN RESOURCES INCは世界的な資産運用会社で、個人・機関・富裕層向けに幅広い投資商品と運用サービスを提供しています。同社は専門の運用チームを通じて、投資信託や上場投資信託(ETF)、私募ファンド、機関向けの分別管理口座など多様な商品を運用しています。

同社の主要な顧客は個人投資家、年金や確定拠出の運用機関、大学基金や慈善団体、保険会社や医療機関などの機関投資家です。収益の大半は運用資産に対する運用管理手数料で成り立ち、加えて販売手数料や受託・株主サービス手数料も重要な収入源になっています。

同社は株式、債券、代替投資(私募債や不動産など)、マルチアセット、短期資金の運用といった多様な資産クラスで運用戦略を展開しています。さらに、ETFプラットフォームの運営やファンド管理、他社商品の運用受託といった関連サービスも手がけ、買収を通じてリタイアメント分野などの能力を強化しています。

経営方針

同社は運用資産残高(AUM)の拡大を成長の中心目標としています。2024年9月30日時点でAUMは1兆6,786億ドル(約1.68兆ドル)と前年同期比22%増加し、平均AUMは12%増となりました。成長の手段としては自社運用の拡充に加え買収による規模拡大を明確に掲げており、2024年1月のPutnam買収はAUMに約1,483億ドルを押し上げるなど具体的な成果を示しています。株主還元や資本政策も重視しており、2024会計年度の普通配当は年間1.24ドル、自己株式買い取りは同年度に1,200万株・約2.744億ドルを実行、買戻し拡張枠として最大4,000万株の承認を得ている点も成長資本の活用方針を裏付けています。

同社は商品ラインと運用能力の多様化を差別化戦略の柱としています。株式、債券、オルタナティブ、不動産やプライベート資産を含むマルチアセット、現金管理まで広い商品群を提供し、専門運用チームを持つ子会社群を通じてそれぞれに特化した運用を行っています。具体的施策としては、Benefit Street、Alcentra、Lexington、Legg Mason、Putnamといった買収によるオルタナティブやリタイアメント分野の強化と、専門チームによるファンド運営の継続を掲げており、これにより他社と比べて商品幅と地域カバーを高める差別化を図っています。なお同社は運用手数料がAUMに依存する構造であるため、平均AUMが10%変動すると手数料収入が約7.567億ドル変動するという感応度を公表しており、資産規模維持・拡大が収益の肝であることを明確に示しています。

同社は新市場開拓と事業拡大についても明確な行動計画を持っています。同社は特に米国の確定拠出年金(リタイアメント)市場と保険関連資産の拡大を重視しており、Putnam買収により確定拠出型AUMの拡大をねらっています。地域面では欧州(ルクセンブルク、アイルランドを拠点とするクロスボーダーファンド)やアジア(中国・インドといった新興国)のプレゼンス向上を目指し、各国での登録や現地商品の販売網整備を進めています。買収以外でも共同事業や少数出資を通じた提携を検討しており、Great‑Westとの戦略的パートナーシップに基づく業績連動型の追加対価(最大3.75億ドル)など、外部資本や連携を含めた成長投資を行う方針です。

同社は技術革新と運用・運営のデジタル化にも投資しています。同社はサイバーセキュリティを重視し、リスクの特定、検知、対応、復旧を一連のプロセスとする体制を整備、最高セキュリティ責任者(CSO)が主導して教育や事後改善を実行しています。また、顧客接点のデジタル化やデジタル資産市場への対応、ETFプラットフォームやデジタル・ウェルス/配信ツールの強化に資金と人材を投入すると同時に、運用管理やバックオフィスの効率化のために外部ベンダーとの連携・アウトソースも活用しています。これらはコスト管理と両立させながら、顧客サービス品質とリスク管理の強化を図るという明確な方針に基づく投資です。