- 米国企業
- BECTON DICKINSON & CO
BECTON DICKINSON & COBDX
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (105文字)
- 業績概況
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (1項目)
- ライバル企業
- (3社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
BECTON DICKINSON & COは世界的な医療機器・医療用品メーカーです。同社は注射器や針、注入セットなどの使い捨て消耗品から、臨床検査機器や診断用試薬、病院で使う患者モニターや投薬管理システムまで幅広い製品を製造・販売しています。
主要な顧客は病院や診療所、臨床検査室、製薬企業、調剤薬局などで、一般消費者向けの医療用品も扱っています。収益は消耗品の継続的な販売が基盤で、機器販売や保守・ソフトウェア契約などからも継続的な収入を得ており、地域的には米国を中心に欧州やアジアで売上を伸ばしています。
事業は大きく医療用機器、ライフサイエンス、介入医療の三つのセグメントに分かれています。医療用機器は注射関連や投薬管理ソリューション、ライフサイエンスは検査・研究向けの試薬や装置、介入医療は手術や集中治療向けの高付加価値機器を扱っており、最近は薬局自動化や高度な患者モニタリングなどの分野にも投資して事業を拡大しています。
経営方針
同社は「BD 2025」と呼ぶ中期戦略の下で、持続的な成長と株主価値の向上を目指しています。直近の通期売上高は約201.8億ドル(2024年度)で前年から4.2%の増収となり、営業活動によるキャッシュフローは約38.4億ドル、手元現金・短期投資は約23.0億ドルと財務基盤は堅調です。成長の実現には自社の有力事業の拡大に加え、戦略的買収によるポートフォリオ強化が含まれており、こうした施策で安定した配当(2024年度は11.0億ドルの現金配当実績)と収益拡大を両立しようとしています。
同社は重点投資分野として、集中治療や手術室向けの高機能モニタリングや、薬局向け自動化ソリューション、ライフサイエンス向け試薬・機器などを挙げています。具体的には、Edwardsのクリティカルケア事業を取得し「Advanced Patient Monitoring」を加えたほか、薬局自動化のParataを買収するなど、コア技術と顧客基盤を同時に獲得することで差別化を図っています。さらに製造・サプライチェーンの効率化や簡素化(コスト削減)施策にも投資し、価格競争や市場変化に耐える競争力を確保しようとしています。
同社は新市場開拓について、東欧・中東・アフリカ、ラテンアメリカ、アジアの一部といった新興地域での地理的拡大を重視しています。また、慢性疾患管理や急性期からのケア移行といった医療提供の変化に対応する製品群を強化し、非急性領域や在宅分野など需要の広がる市場にも進出しています。事業ポートフォリオの見直しとしては、糖尿病ケア事業のスピンオフ(Embecta)や外科用機器プラットフォームの売却といった選択と集中を進めており、買収の資金は社債発行やコマーシャル・ペーパーで調達するなど財務面の整備も並行しています。
技術革新では、同社は研究開発を重ねて人工知能(AI)を活用した臨床支援や、機器のネットワーク化・データ連携による「スマート・コネクテッドケア」を推進しています。研究開発拠点は米国を中心にインド、中国、シンガポール、アイルランドなどに広がり、大学や医療機関との共同研究も行っています。製品の安全性確保に向けては最高情報セキュリティ責任者(CISO)や製品セキュリティ担当の設置、社内のガバナンス委員会による監督といった体制整備を進めており、買収後の無形資産配分でも開発技術や顧客関係といった技術的価値を重視する姿勢がうかがえます(例:Advanced Patient Monitoringでは開発技術約7.14億ドル、顧客関係約6.50億ドルを計上)。