Bath & Body Works, Inc.BBWI

時価総額
$33.5億
PER
ホームフレグランスやボディケアの小売の米国最大手。ホームフレグランス、ボディケア、石けん・消毒製品を展開。2023年にIT分離を完了、2024年にEaston投資を売却で3,900万ドル計上。米国中心にパートナー運営の529店舗を45か国超で展開。

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企業概況
121文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

Bath & Body Works, Inc.は家庭向けフレグランスやボディケア製品を中心に販売する小売企業です。同社はキャンドルやルームフレッシュナー、ボディローション、シャワージェル、ハンドソープやサニタイザーなど、香りを軸にした生活消費財を季節に合わせた品揃えとギフト提案で展開しています。店舗での接客や陳列、店内体験を重視すると同時にオンライン販売も行っています。

主要顧客は幅広い年齢層と所得層の一般消費者で、手頃な価格帯の「手の届くラグジュアリー」として日常使いや贈答用途に支持されています。同社の収益は主に北米を中心とした直営店舗と自社のオンラインチャネルによる小売売上が中心で、年末商戦を含む第4四半期が年間売上の約40%を占めるなど季節性が高い事業構造です。海外はパートナー運営の店舗などを通じて展開しています。

事業は大きく家庭用フレグランス、ボディケア、ソープ・サニタイザーなどの製品ラインに分かれ、香り設計やパッケージ、価格帯で差別化しています。近年は高付加価値の「Everyday Luxuries」といったプレミアムラインやポップカルチャーとのコラボで新商品を投入し、デジタルや情報技術への投資で店舗とオンラインの連携や個別化を強化しています。サプライチェーンは主に国内で統合的に管理し、外部の物流拠点も活用して季節変動に応じた在庫運用を行っています。

経営方針

同社は売上高の拡大と収益性の両立を目指しています。2024会計年度(52週、2025年2月1日終了)では、売上高は73.07億ドルで前年から1.6%の減少となった一方、営業利益は12.66億ドル、営業利益率は17.3%と前年水準を維持しました。長期的には「持続可能で利益を伴う成長」を実現することを掲げ、ロイヤルティ会員を約3,900万人(2025年2月1日時点)まで拡大するなど顧客基盤の強化を通じてトップラインの加速を図ろうとしています。

同社は製品と店舗体験への投資で差別化を図っています。2024年には高付加価値ライン「Everyday Luxuries」を導入し、新規顧客獲得を狙うとともに、男性向けやヘア、リップ、ランドリーなど関連カテゴリーへの拡張を進めています。また、ポップカルチャーと連携したコラボレーションで話題性をつくり来店促進を図り、店舗では香りや陳列、販売員による体験提供を重視しています。加えて「Fuel for Growth」コスト最適化で2年間で300百万ドル超の削減を達成し、そのうち2024年に約155百万ドルを実現、得られた余力をマーケティングと製品開発に再投資しています。

新市場開拓では海外フランチャイズとカテゴリー拡張を両輪にしています。国際面では45か国以上でパートナー運営の店舗を展開しており(約529店)、現地卸売の変動はあるもののチャネルを通じた拡大を継続しています。資本政策では配当(2024年は四半期ごとに0.20ドル)と合わせて株主還元を意識しており、取締役会は2025年1月に5億ドルの自社株買い枠を承認しています。サプライチェーン面でも供給業務の効率化やサプライヤーファイナンスの導入により運転資本の最適化を図っています。

技術革新には重点的に投資しており、IT基盤の刷新を通じてオムニチャネルとパーソナライズを強化することを目指しています。ヴィクトリアズ・シークレットからのIT分離を完了した後、多年計画のIT変革プロジェクトを進め、データ分析基盤や顧客接点の統合、店舗とオンラインの接続改善に資金を割いています。また、顧客体験向上だけでなく情報セキュリティ対策やクラウド運用の強化も進めており、これらの技術投資によって長期的な成長とリスク管理の両立を図ろうとしています。