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BridgeBio Pharma, Inc.BBIO
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事業内容
BridgeBio Pharma, Inc.は遺伝性疾患の治療薬を発見・開発し、患者に届けることを目的としたバイオ医薬品企業です。同社は基礎研究から臨床後期まで幅広いパイプラインを有し、主力製品としてAttrubyやBeyonttraの商業化を行っています。
主要な顧客は医師と患者、そして公的・民間の保険者で、収益は承認薬の売上とライセンス収入、提携によるマイルストーンやロイヤリティが中心です。同社の収益性は製品の市場受容と保険償還の状況、販売体制の有効性に大きく依存します。
事業は研究開発、製品の商業化、外部企業との提携やライセンス供与に分かれており、稀少な遺伝疾患を中心に多数の開発プログラムを並行して進めています。同社はこれまでに複数の治験申請を行い複数製品で米国規制当局の承認を得るなど実績を持ち、資金調達や提携を通じてパイプラインの拡大を図っています。
経営方針
同社は成長戦略として、まず既に承認を得た医薬品の商業化を進めることで収益基盤を確立しつつ、後期段階のパイプラインを早期に収益化することを目指しています。具体的には、米国で2024年11月22日に承認されたAttrubyと、欧州で2025年2月10日に承認されたBeyonttraの販売を軸にしながら、年間売上が少なくとも10億ドル規模になる可能性がある適応を持つプログラムに注力しています。一方で開発・販売には追加資金が必要なため、同社は公募や私募、融資、ロイヤルティ資金調達など多様な資金調達手段を併用しており、2024年の公募や私募でそれぞれ約2.77億ドル(フォローオンの純収入)と約2.41億ドル(私募の純収入)を確保したほか、主要な条件付き資金としてアコラミディスのFDA承認に連動する5億ドルのロイヤルティ資金枠も取り付けています。
同社は重点投資分野として遺伝性疾患(いわゆるメンデリアン疾患)を掲げており、原因が明確で「治療の道筋が立ちやすい」領域に集中することで差別化を図っています。研究開発面ではこれまでに19件の治験申請(IND)を作成し、3製品で米国承認を得るなど実績を積んでおり、資産の一部をライセンスや販売提携で外部化することでリスクを分散しています。例えばバイエルや協和発酵キョーワとの独占ライセンス取引で合計約2.35億ドルを受領し、そのうち約1.59億ドルをエスクローに預託するなど、外部パートナーとの協業で開発資金や商業化力を補完しています。
同社は新市場開拓と事業拡大において、地域別の承認取得とパートナーによる現地展開を組み合わせる方針を目指しています。欧州での承認取得が示す通り、地域ごとの承認を着実にとることで販路を広げ、必要に応じて専門販売部隊の構築や外部販社との提携で製品浸透を図る計画です。財務面では流動性維持に配慮しており、2024年末時点で最低必要な現金残高を約7,800万ドルに設定するなど資金管理を行う一方、事業の効率化を目的としたリストラクチャリング(2024年の関連費用は約1,560万ドル)で費用構造の最適化を目指しています。
同社は技術革新への取り組みとして、資産ごとに専門チームを置く分散型の運営モデルと、後期パイプラインを一元管理して効率化する取り組みを両輪で推進しています。具体的には、後期開発のオペレーションを集約して規模と厳格性を高める体制を整備しており(2024年にチーフオペレーティングオフィサーがこの統括を主導)、遺伝子治療や小分子など多様なモダリティを並行して評価し、客観的な基準に基づく開発継続・中止の判断を徹底しています。同社は「患者ファースト」を掲げ、学術発見の迅速な臨床応用を進めることで、他社との差別化と持続的な技術革新を目指しています。