AUTOZONE INCAZO

時価総額
$644億
PER
自動車部品・用品の米州最大手。Duralastなど自社ブランド、Loan‑A‑Toolや無料診断サービス、オンライン販路を展開。取締役会が2023年12月と2024年6月に自社株買い枠を増額、1998年以降で155.2百万株・370億ドルを買戻し。2024年8月31日時点で店舗7,353店(米6,432店、メキシコ794店、ブラジル127店)で展開。

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企業概況
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

AUTOZONE INCは自動車用交換部品と関連用品の小売・流通を主力とする企業です。北米やラテンアメリカで多数の直営店を展開すると同時に、ウェブやモバイルアプリを通じて同日受取や宅配の販売チャネルも運営しています。修理・取り付け業務からの収益は得ていません。

同社の顧客は個人の「自分で修理する」消費者(DIY)と、独立修理工場やディーラー、フリートなどの商業顧客に大別されます。売上は店舗販売、オンライン販売、商業向け販売プログラム(クレジットや配送を含む)で構成され、既存店の売上増、新規出店、商業取引の拡大が成長の主要因です。

事業面では故障対応用のハードパーツ、定期メンテナンス用品、内外装や工具などの任意購入品という大きなカテゴリーで商品を揃え、Duralastなどの自社ブランドで価格帯を分けて提供しています。ハブ店や物流センターを活用して専門部品を周辺店に迅速供給し、貸出工具や無料の診断サービス、商業向けロイヤルティプログラム(ProVantage)などで顧客利便性とリピートを高めています。

経営方針

同社は成長を「既存店売上の拡大」「新規出店」「商用取引拡大」の三本柱で実現しようとしています。過去5年間で売上は2019年の119億ドルから2024年の185億ドルへと拡大し、年平均成長率は約9%に達しました。店舗数も2019年の6,411店から2024年に7,353店へ増加しており、直近の期では純新規出店が213店と積極的にネットワーク拡大を進めています。資本配分では自社株買いを継続しつつ、投資適格格付けを維持するために調整後負債対EBITDAR比率(2024年は約2.5倍)を意識した財務運営を行っています。

同社は供給網と店舗フォーマットへの投資を差別化の中核に据えています。2024会計年度の設備投資は約11億ドルで、新しい流通センターや「ハブ」・「メガハブ」店舗への投資を進め、各店舗の在庫を地域の車種や需要に合わせて最適化しています。加えて、自社ブランド(Duralast等)による価格・品質の差別化や、工具貸出や無料の診断サービスなどの高付加価値サービスで顧客囲い込みを図っています。こうした「サービス重視」の戦略は来店頻度や顧客満足を高める一方、コスト構造をやや高めるため、価格競争力とサービスのバランス管理が重要です。

新市場・事業拡大については、国内外の未展開市場への進出と既存市場でのシェア拡大を同時に追求しています。2024年時点で米国6,432店、メキシコ794店、ブラジル127店を運営しており、出店判断は人口や車両構成(特に7年以上経過車の比率)など需要予測に基づいて慎重に行っています。プロ向け営業プログラム(ProVantage)や法人向けの配達・与信サービスを強化しており、店舗ネットワークと商用チャネルを連動させることで一層の売上基盤拡大を目指しています。

技術革新では、オンラインと店舗を連携した販売体制の強化に重点を置いています。顧客はウェブサイトやモバイルアプリで在庫確認や購入ができ、多くの米国エリアで即日・翌日配送が可能です。電子部品カタログやFix Finderによる診断支援、ALLDATAのソフト販売などデジタルサービスを店舗体験と結びつけ、在庫管理や配送効率の向上にデータ分析を活用しています。なお同社も競合が進める先端的なデータ解析や自動化技術に遅れないよう、サプライチェーンとITへの更なる投資を計画しており、2025会計年度はこれら供給網関連の投資を増加させる見込みです。