AMERICAN EXPRESS COAXP

時価総額
$2408.6億
PER
グローバル決済ネットワークの大手。コブランデッドカードや会員向けリワード、プレミアム旅行・ラウンジ特典を展開。コブランデッドポートフォリオが世界の請求ビジネスの約25%を占め、関連カードローンが約36%を占める。2024年にTockとRooamを買収。米国・国際で展開。

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企業概況
106文字)
業績概況
テーマ
3項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

AMERICAN EXPRESS COはグローバルな統合決済会社で、主に個人や企業向けのクレジットカード・チャージカードの発行とカード決済ネットワークの運営をしています。加えて会員向けの旅行やライフスタイル特典、リワードやデジタル決済、貸付・預金などの金融商品も提供しています。

同社は高い消費性向を持つ個人会員や中小~大企業を主要顧客とし、加盟店や業務提携先とも直接の関係を築いています。収益は加盟店からの決済手数料、カード会員の借入に伴う利息、年会費やサービス手数料、そして共同ブランド(コブランド)カードや提携から得る報酬で成り立っており、コブランド関連は請求額の約25%・カード貸出残高の大きな割合を占めます。

同社の事業は米国個人向け、消費者・小規模事業向け、国際カード事業、加盟店・ネットワーク事業といったセグメントに分かれており、それぞれがカード発行、加盟店決済処理、法人向け支払、データ分析やリワード運営などの製品ラインを担っています。さらに経費管理や企業間支払、デジタルの予約・飲食サービスや預金商品といった補完的なサービスを拡充し、会員と加盟店双方に付加価値を提供しています。

経営方針

同社は安定した株主還元と収益成長の両立を成長戦略の中核に据えています。2024年の純利益は約101億ドル(10,129百万ドル)に達し、株主還元では年間で約2400万株(2024年)を取得し総額約58.6億ドル(5.857 billion)を投じるなど積極的に自社株買いを行っています。取締役会は2023年に最大1億2000万株の買い戻しを承認しており、2024年末時点で約7500万株の余力が残っています。株主価値の向上は重要な目標であり、同社は継続的に利益成長と資本効率の改善を目指しています。

重点投資分野は「プレミアム会員体験」と「パートナー経由の成長」で、差別化はブランド力と会員サービスにあります。具体的にはMembership Rewardsや空港ラウンジ、ダイニング特典といった会員向けベネフィットに投資し、コボランド(提携ブランド)も重視しており、コボランド関連が2024年の請求取扱高の約25%、カード会員向け貸出残高の約36%を占めています。マーケティング、カバレッジ拡大、報酬プログラムへの支出を継続的に行い、プレミアム利用者を獲得・保持することで競合と差別化しています。

新市場開拓と事業拡大では国際展開とB2B領域の拡張を図っています。具体的には優先都市や業種における加盟店カバレッジの拡大、B2B受け入れ(サプライヤー向け決済)や法人向けソリューションの拡充を進めており、ネットワーク投資ではデジタル統合や与信・承認基盤の近代化に資金を振り向けています。飲食分野では2024年に予約管理のTockや店舗支援のRooamを買収しプラットフォームを強化するなど、既存のカード事業に付加価値を与える形で事業領域を拡大しています。これらを通じて新たな取引量と収益源の獲得を目指しています。

技術革新に関してはデジタルチャネル、データ活用、人工知能・機械学習の導入を重視しています。同社はAmexアプリやオンラインサービスの機能強化、認証プラットフォームの近代化、業務自動化による運用効率化に投資しており、データ分析を活用して不正検知や与信判断を改善する施策を進めています。一方でサイバーセキュリティや規制対応の重要性も認識しており、技術導入に伴うリスク管理やガバナンス整備にも注力しています。