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Academy Sports & Outdoors, Inc.ASO
事業内容
Academy Sports & Outdoors, Inc.は米国で大型店舗とネット販売を通じてスポーツ用品やアウトドア用品、衣料、履物などのフルライン商品を販売する小売業者です。 同社は店舗での陳列とネットによる販売を組み合わせ、ナショナルブランドと自社ブランドの両方を取りそろえて顧客に商品を届けています。
同社の顧客層は年齢や所得が幅広く、年間を通じて安定した来店があるのが特徴で、平均的な来店頻度は年2〜3回程度です。 収益の大半は商品販売によるもので、ネット販売は商品売上の約10%前後を占め、ギフトカードやロイヤリティなどのその他収入もあります。 自社のプライベートブランドは顧客の支持が強く、売上の約23%を占める一方で約半数の顧客がプライベート商品を購入しています。
事業は小売一事業の単一報告セグメントで運営しており、商品構成は大きくアウトドア、スポーツ・レクリエーション、アパレル、フットウェアの四部門に分かれます。 各部門では例えばアウトドアはキャンプや釣り、狩猟用品、スポーツはフィットネスやチーム競技用品、アパレルは防寒や作業着、フットウェアはランニングや作業用ブーツなど幅広い品ぞろえを展開しています。
経営方針
同社は成長を「既存市場での深堀りと新市場への出店」の二本立てで進めています。直近では2024会計年度に16店舗を開店し、2021年以降では合計39店舗をオープンしています。2025会計年度は20〜25店舗の新規出店を計画しており、総売上高(2024年)は約59.3億ドルであることから、実店舗拡充が引き続き売上成長の主要ドライバーになると見ています。加えて株主還元の一環として、2025年3月に一株当たり0.13ドルの四半期配当を宣言しており、財務面での安定性も重視しています。
同社は出店戦略と商品構成で差別化を図っています。新モデルはモール外のパワーセンターや独立棟を優先し、人口統計や商圏データに基づいて用地を選定しています。商品面ではナイキやコロンビアなどの主要ナショナルブランドの確保に加え、Magellan Outdoorsなど19の自社プライベートブランドを揃え、2024年の物品売上の約23%をプライベートブランドが占めています。プライベートブランドは低価格帯で利益率向上に寄与すると同時に、競合との差別化と顧客ロイヤルティの向上に役立てています。
新市場開拓と事業拡大では、店舗ネットワークの物理的拡大に加え、既存店舗を活用した販売チャネル強化を進めています。2024年時点で店舗が総売上の約95%を仲介しており(店頭販売・店出荷・店舗受け取りを含む)、今後も出店による市場浸透と併せて、店舗を拠点にした「ウェブから店で受け取る」仕組みや店内での在庫最適化を推進する計画です。新店立ち上げ費用は前年度の償却前費用として約1,390万ドルが計上されており、成長投資のための一定のコスト増も想定しています。
技術面では顧客データと物流・在庫管理への投資を重点化しています。同社は新しい顧客データプラットフォームを導入し、顧客のセグメンテーションやターゲティング精度を高めるとともに、サイト改修やモバイルアプリ、店舗受け取りや店出荷の機能強化でオムニチャネル体験を向上させています。サプライチェーン側では第三者ツールを活用した在庫分析やルールに基づく値下げ管理を導入して在庫効率を改善しており、情報セキュリティ面では最高情報責任者(CIO)が主導し、監査委員会がサイバーリスクを継続的に監督する体制を整えています。