AMERICA MOVIL SAB DE CVAMX

時価総額
PER
総合通信サービスのラテンアメリカ最大手。固定・移動体・ブロードバンド・Pay TV(RGU約1380万)やOTT ClaroVideo(3万2500本超)ClaroMúsica(1億曲)を展開。2024年10月にClaro Chileを91.62%で取得。メキシコとブラジルでRGUの過半数、23カ国で事業展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

AMERICA MOVIL SAB DE CVは、携帯電話と固定回線を軸に幅広い通信サービスを手がける企業です。同社はモバイルの音声・データや固定ブロードバンド、データセンターや法人向けITソリューションに加え、有料テレビやインターネット配信(ClaroVideo、ClaroMúsica)などのメディアサービスを提供しています。端末やIoT機器の販売、スマートホームやホームネットワークといった付帯サービスも展開しています。

同社の顧客は個人家庭と企業が中心で、契約ごとに収益を得る仕組み(各サービスを1つの収益単位として数える)で業績を管理しています。収入は携帯や固定の月額、ブロードバンドと音声やテレビを束ねたパッケージ販売、オンデマンドや追加番組、広告収入、そして端末販売や法人向けサービスが柱です。事業の重心はラテンアメリカで、特にメキシコとブラジルが加入数と収益の大部分を占めています。

同社は地域別にセグメントを分けており、メキシコの移動体・固定、ブラジル、コロンビア、南部(アルゼンチン・チリ等)、アンデス地域、中央アメリカ、カリブ、そしてヨーロッパの各市場で事業を運営しています。移動体事業は音声・データや付加価値サービスが中心で、固定事業は光やハイブリッド方式によるブロードバンドと企業向けITが中心、放送系はケーブル・衛星のPay TVとOTTを組み合わせて提案するのが特徴です。

経営方針

同社は中南米での統合通信プラットフォームのリーダー地位を維持・拡大することを成長戦略の中心に据えています。具体的には既存の加入者基盤を深掘りしてRGU(一顧客の複数サービスを含めた収益単位)を増やすこと、固定・携帯・ブロードバンド・Pay TV・OTTを組み合わせた「ダブル/トリプルプレイ」販売でARPU(加入者あたり収益)の向上を図ることを目指しています。地域分布ではメキシコとブラジルの2国が全体のRGUの過半を占めており、Pay TVは約1,380万RGU、映像配信サービスClaroVideoは約32,500タイトルを有するといった現状の規模感をベースに成長を目指しています。株主還元面でも配当(2024年は1株当たり合計Ps0.48を年2回)や買戻しプログラム(最大で数十億ペソ規模の枠設定)を実行しており、安定的なキャッシュ配分を重視しています。

同社はネットワーク投資とコンテンツ・サービスの両面に重点投資を行い、他社との差別化を図っています。ネットワーク面では光ファイバーやハイブリッドHFCの敷設、基地局の密度向上、周波数帯の確保に継続的に資本を投じており、5G導入も加速させています(主要市場での5Gカバー率はメキシコ約58.7%、ブラジル約50.5%、プエルトリコ約91.7%など)。サービス面ではOTT(ClaroVideo、ClaroMúsica)や企業向けITソリューション、IoTやデータセンターを組み合わせることで、単純な通信料競争に陥らない収益源を拡充しています。また規模の経済を活かした端末調達や販売チャネル、グループ内のインフラ共有などでコスト優位を確保する戦略です。

市場開拓と事業拡大はM&Aを重要な手段として進められています。同社は欧州やラテンアメリカの追加投資機会を追求しており、近年の動きではTelekom Austriaの持分を段階的に引き上げて60.6%の議決権比率を取得したことや、チリの事業(Claro Chile)を2024年に支配・統合(買収対価として開示された金額はPs.26,521,907)したことなどがあります。こうした取引により地理的分散と事業ポートフォリオの最適化を図り、特に大規模市場(メキシコ、ブラジル)での基盤を生かして周辺国や欧州での収益機会を拡大する計画です。加えて企業向けサービスやサイバーセキュリティ、データセンターの拡張を通じて法人需要の取り込みにも注力しています。

技術革新への取り組みはネットワーク近代化だけでなく社内プロセスやガバナンスの強化を含めた広範な施策で進められています。具体的施策としては5GやLTEの基地局整備、データセンター投資の継続に加えて、内部統制の自動化やアクセス管理の強化、開発者による本番環境変更の制限、証跡の保管期間延長といったIT統制の改善を行っています。またAI導入についてはリスク認識を明確化しつつ「責任ある利用」を目指し、プライバシーとセキュリティの枠組みの下で段階的に活用を進める方針です。さらにサステナビリティ委員会を設置し、気候変動対応やESG目標の達成を事業戦略に組み込むことで、長期的な競争力の維持を図っています。