American Homes 4 RentAMH

時価総額
$120億
PER
一戸建て賃貸の最大手。内製の開発プログラムと自社管理プラットフォームを展開。2024年に1,724戸を4.959億ドルで取得、2023年1月にブランド刷新。米国で60,531戸のポートフォリオ(2024年12月31日)を展開。

事業内容

American Homes 4 Rentは米国内で単世帯住宅を取得・開発・改装し、長期賃貸として運用する事業を行っています。同社は自社開発プログラムや大規模な物件取得力を持ち、入居者を想定した間取りや耐久性を重視した仕様で住宅を供給しています。

主要な顧客は家庭向けの借り手で、家賃収入が同社の中心的な収益源です。加えて改装や維持管理に伴う手数料や各種の付帯収入があり、投資家には配当と物件価値の上昇を通じた還元を目指しています。

事業は賃貸向け住宅の開発、既存住宅の取得・改装、そして賃貸運営と物件管理の三本柱で構成されています。同社は地域ごとの入居募集担当や現場の物件管理と、本社での会計・法務・コールセンターなどを組み合わせて効率化を図り、AMHブランドで入居者と従業員の確保に努めています。

経営方針

同社は配当と資本成長を通じて投資家に魅力的なリスク調整後リターンを提供することを目指しています。保有する戸建て賃貸は60,531戸、帳簿価額は約$13,929.5百万(約139億ドル)に達しており、2024年には1,724戸を総額$495.9百万で取得しました。資金調達では、最大$1.0億(=$1,000百万)のATM(市場随時発行)プログラムを通じて柔軟に株式を発行する一方、取締役会が最大$300百万の普通株買戻し枠と$250百万の優先株買戻し枠を承認しています(2023〜2024年は買戻し実行なし)。同社は投資適格の格付けを維持しつつ、保守的で柔軟なバランスシートを確保することを目指しています。

同社は自社開発と選別した取得を柱に差別化を図っています。自社のAMH Developmentプログラムで「建てられた賃貸」住宅を開発するほか、全国の住宅建築業者から新築を仕入れるナショナルビルダープログラムも活用しています。取得基準は概ね2000年以降築、3ベッド以上、2バス以上、想定物件価格$250千〜$600千を目安とし、リノベーション費用も所定の基準内に収める方針です。運営面では入居者対応の地域担当を置きつつ、会計・法務・マーケティング・コールセンターなどの中枢機能を集中化する「内製化」体制でコスト削減とブランド統一を図り、業者との全国契約によるスケールメリットも追求しています。

同社は人口成長と賃貸需要が安定した大都市圏の選定サブマーケットを中心に事業を拡大することを目指しています。市場参入はデータに基づく選別を行い、既存の営業基盤がある地域での開発・取得を優先して地理的な分散を維持します。資本の使途としては借入金の返済や開発・取得・改修、配当や機動的な買戻しなどを挙げており、開示された契約上の支払総額は約$7,032.9百万、うち債務元本の満期総額が約$5,075.4百万、将来利息支払見積りが約$1,858.3百万といった規模感で資金計画を組んでいます。これらを踏まえ、同社は新規市場開拓と同時に財務の柔軟性確保を目指しています。

同社はテクノロジーと人材育成で運営効率と入居者満足の向上を図っています。独自のデータ分析で土地や取得機会を特定し、中央管理システムやコールセンターを通じて賃料設定や保守対応を最適化しています。またブランド刷新(2023年の「AMH」表記採用)に伴いウェブやフリーダイヤルを強化して集客力を高めています。社員教育にも力を入れており、2024年には約70,200時間、1人当たり平均約41時間の研修を実施するなど、現場対応力と標準化を両立させる施策を進めています。