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ALLSTATE CORPALL
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事業内容
ALLSTATE CORPは米国を拠点とする大手保険・金融サービス会社で、主に個人向けの自動車保険や住宅保険などの損害保険を中心に、生命・健康関連の保険や消費者向け保護プラン、アイデンティティ保護やデータ解析サービスも手掛けています。主力商品は個人のプロパティ・ライアビリティ保険で、デジタル販売と代理店ネットワークの両方を通じて提供しています。
主要な顧客は自動車や住宅を所有する個人顧客や小規模事業者、そして企業向けの福利厚生を求める雇用主で、保険料収入が同社の収益の大部分を占めます。併せて、集めた保険料の運用による投資収入や、代理店手数料・企業提携によるサービス収入も重要な収益源です。
事業は大きく個人向けプロテクション事業、健康・福利厚生事業、消費者向け保護サービスやテレマティクスを使った分析事業に分かれています。具体的には自動車・住宅・賃貸人保険、短期医療やメディケア補完、雇用者向けの任意給付、Allstate Identity ProtectionやArityのようなデータサービスに加え、保険金支払いに備えた準備金管理と投資ポートフォリオ運用を同社が一括して行っています。
経営方針
同社は「Transformative Growth」と呼ぶ中長期戦略で、パーソナル損保の市場シェア拡大と保護(プロテクション)領域の拡大を目指しています。具体的には、デジタルを軸に低コストで簡潔な商品を複数の販売チャネルで提供することで新規獲得を加速し、株主還元につながる収益性を確保する方針です。直近の実績では連結の保有契約数(policies in force)が2.08億件と前年から7.2%増加し、2024年の自己資本利益率は25.8%と高水準であることが示されています。自動車保険の収益性改善や保険料収入の質の向上を重視しており、引き続き引受改善による成長と利益率の両立を図っています。
投資の重点分野は顧客獲得、流通チャネルの拡充、そして運用と商品機能の強化にあります。買収面ではナショナル・ジェネラルの取り込みにより独立代理店網が拡大し、これがプロテクションサービスの新規販売を押し上げています。Protection Services部門はポリシー数と収益がそれぞれ9.3%・16.7%増と高成長を示しており、職場向けベネフィットや保守的なグループ保険など商品ポートフォリオの多様化で差別化を図っています。内部開発を含む技術投資は着実に進められており、2024年末時点で内部用ソフトウェア等の資本化残高は約3.98億ドルとなっています。
新市場や事業構造の見直しも並行して進めています。同社は一部非中核事業の売却を行い、2024年には雇用者向けボランタリーベネフィット事業を約20億ドルで売却する契約、さらにグループ保険事業を約12.5億ドルで売却する契約を発表するなど、資本配分を最適化して成長投資に振り向ける計画です。一方でAllstate Protection Plansなどを通じてカナダや欧州・アジア・豪州にもサービスを展開しており、国際的な保護商品や提携チャネルを通じた拡大で新たな顧客基盤を築く方針です。
技術革新については、同社は新しい技術基盤とデータ分析能力の導入を優先課題としています。具体的には顧客獲得の高度化、価格設定の精緻化、請求処理の自動化などでデータと分析を活用し、運用コストの低減と顧客体験の向上を狙っています。ただし生成型人工知能など新技術の導入には規制・倫理・品質面のリスクが伴うため、同社はコンプライアンスとリスク管理を前提に段階的に実装し、必要なデジタル人材の採用と組織変革によって実行力を高める方針です。