agilon health, inc.AGL

時価総額
$2.6億
PER
高齢者向けメディケア中心のプライマリケア支援事業の有力企業。医師グループと長期提携するグローバルキャピテーション型MAプラットフォームを展開。2023年2月に4,530万ドルで買収。2024年12月時点で29のアンカー診療所グループと約52.6万人のMA会員を抱え、米国30地域で展開。

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企業概況
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同業種の日本企業
3社)

事業内容

agilon health, inc.は、米国の高齢者向け医療を中心に、地域のかかりつけ医を支援して価値に基づく医療へ転換する事業を行っています。同社は医師グループと長期的に提携し、診療支援のための運営・技術基盤と、保険者と連携した月額一括支払い(グローバル・キャピテーション)による医療費管理の仕組みを提供しています。

主要な顧客は地域のプライマリケア医師団体と保険支払者(特にメディケア関連の保険プラン)で、最終的なサービス対象はメディケア加入者です。同社の収益は保険者からの月額支払いが中心で、加えて医療費削減の成果に応じた共有収益や、医師向けの運営支援サービス料が加わる構造になっています。

事業は大きく、医師パートナー向けの包括的プラットフォーム、長期提携によるネットワーク構築、地域ごとにリスクを負う法人(RBEやACO)を設立する運営モデルの三つで成り立っています。同社は独自のデータ分析やリスク調整ツールで診療の質とコスト管理を支援し、地域単位でスケールしており、2024年末時点で複数のアンカー医師グループと多数のメンバーを抱えて成長しています。

経営方針

agilonは既存の地域医療に根ざした開業医グループを基盤に、主にメディケア向けの包括的な支払い(グローバル・キャピテーション)で高齢者医療のアウトカム改善とコスト抑制を図る成長戦略を採っています。同社はこの戦略で会員数と収益を急拡大させており、2024年末時点でメディケア・アドバンテージの会員が約526,500人(前年から36%増)、CMSのACOモデルによる帰属受益者が約132,100人(同48%増)、売上高は約60.6億ドル(同40%増)に達しました。一方で2024年の純損失は約2.601億ドル、調整後EBITDAも約1.542億ドルの赤字であり、同社は短期的な損失を受け入れつつ規模拡大と医療マージンの改善を目指しています。

同社が重点投資する分野はプラットフォーム、医師パートナーへの長期的支援、そして地域ネットワークの拡充です。具体的には、診療ギャップの把握や保険者との連携を支える「CORE」やリスク調整用ソフト「HCC Manager」、臨床データ統合の「Minerva」などの技術に投資すると同時に、資本提供や運営支援でリスクを負う地域単位のリスク負担組織(RBE)を構築して29のアンカーファーム、30の地域展開を実現しています。これにより同社は、地域に根差した開業医がメディケア中心の総合的な診療モデルに移行する障壁を下げることを差別化要因としています。

新市場開拓と事業拡大は、既存の地域での深耕と新地域への横展開を両輪に進める計画です。同社は新たな医師パートナーや主治医(PCP)の採用・統合を通じて診療体制のキャパシティを高め、健康保険者との契約獲得を通じて会員を増やすことを目指していますが、PCP採用の競争や地域ごとの規制差、保険者構造の違いが課題であると自認しており、それらを克服するために経営・業務・報告体制の強化に資本を振り向けています。加えて、ACO参加に伴うガバナンスや健康格差対策などの要件にも対応して事業の安定化を図っています。

技術革新については、同社はデータ集約と解析能力の向上を通じて診療の質と収益性を高めることを重視しています。2023年の買収で得た技術資産(開発済み技術として約2,750万ドル相当を計上)を含め、独自プラットフォームの継続的改良やリスク調整の精度向上、人工知能・機械学習の活用に投資しています。また、顧客データ保護のためCTOとCISOが主導するサイバーセキュリティ体制や、商標・秘密保持で知的財産を守る取り組みも強化しており、同社は技術を中核に据えた事業優位の確立を目指しています。