Affirm Holdings, Inc.AFRM

時価総額
$207.7億
PER
買い物後払いサービスの米国大手。分割払いアプリと物理・仮想カードによる後払いサービスを展開。2012年創業、2021年1月13日上場、2023年2月1日に英国BNPLを約1,633万ドルで買収。米国・カナダ・英国中心に展開。

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企業概況
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同業種の日本企業
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事業内容

Affirm Holdings, Inc. は消費者が商品購入時に代金を分割で支払える、透明性の高い決済・融資サービスを提供するフィンテック企業です。同社は専用のアプリや物理・仮想のカードを通じて、分かりやすい支払いオプションを消費者に提供しています。

主要な顧客は最終消費者とオンライン/実店舗の商業パートナーで、同社は加盟店からの取引手数料、消費者向けローンの利息や関連手数料、ローンのサービシング手数料、カード取引時の手数料分配などで収益を得ています。同社は資金調達や法規対応のために銀行と提携し、資金効率の高いモデルで取引量を拡大しています。

事業の中身は大きく、決済時に分割払いを選べるチェックアウト向けサービス、消費者が銀行口座や信用で支払うための専用カード、そしてローンの組成・保有とその後の管理(サービシング)です。同社は北米や英国などで直接ローンを組成する一方、提携銀行が起点となってローンを発行する仕組みも併用し、複数の商業パートナーと連携して導入を進めています。

経営方針

Affirmは売上の拡大と収益性の回復を成長戦略の中核に据えています。直近の決算では2025年度の売上高が約3.22億ドル($3,224百万)、当期純利益は約5220万ドル($52.2M)となり、2025会計年度第4四半期にGAAPベースの営業利益で黒字化を達成しました。短期的には取引規模(GMV)と取引件数の拡大を通じて収益基盤を強化し、中長期では持続的なGAAP収益性の確立を目指しています。なお、過去の累積赤字が約31億ドル($3.1B)ある点を踏まえ、同社は費用管理と収益性改善を並行して進めています。

同社は技術と与信モデルへの重点投資で差別化を図っています。自社開発のソフトウェア資産は約9.87億ドル($987M)に達し、2025年度の減価償却・償却費は約2.24億ドル($223.7M)と大規模な技術投資を継続しています。具体的には独自の信用スコアリング・不正検知モデルを強化し、加盟店向けの導入ツールやAPIで決済・分割払いをシームレスに提供することで、競合のカード会社や後払いサービスとの差別化を図っています。また「遅延手数料を課さない」など透明性の高い商品設計で消費者の信頼を獲得することも差別化要素です。

新市場の開拓と事業拡大では、既存の銀行パートナーシップに加え直接起源(自社での貸付)比率を高めることを目指しています。2025年度は直接起源が約63億ドル($6.3B)で全体の約17%を占めており、同社はカナダや英国でのライセンスを活用して国際展開を推進しています(カナダ売上は約$119M)。買収による機能獲得も行っており、例えば英国の買収事例(Butter買収の検討・実行)を通じて現地のチャネルやライセンスを取り込み、Amazon・Shopify・Apple Payなど大手プラットフォーマーとの連携拡大やAffirmカードの発行によるチャネル多様化を計画しています。

技術革新については、同社はプラットフォームとデータサイエンスを中心に投資を続けています。AIや機械学習を活用した与信・債務管理、不正検知の高度化を進める一方で、エンジニア採用やリモート体制の最適化、セキュリティ・コンプライアンス体制の強化にも注力しています。こうした取り組みにより、同社は「次世代の決済ネットワーク」を構築し、加盟店のコンバージョン向上と消費者の利用継続を両立させることを目指しています。