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AUDIOEYE INCAEYE
事業内容
AUDIOEYE INCは、企業のウェブサイトやアプリを障がいのある利用者を含め誰でも使いやすくするための技術と専門サービスを提供しています。同社は自動でアクセシビリティの問題を検出・修正するソフトウェアと、問題点を可視化するダッシュボード、それに専門家による監査や改善支援を組み合わせたサブスクリプション型のソリューションを主力にしています。
同社の顧客は大手企業や政府機関などのエンタープライズ層と、CMSパートナーや再販業者、マーケットプレイス経由で契約する中小企業に大きく分かれます。収益は定期的なサブスクリプション収入が基盤で、監査やカスタム対応などのサービス収入もあり、2024年時点でパートナー・マーケットプレイスがARRの約58%、エンタープライズが約42%を占めています(上位顧客一社が売上の約15〜17%を占める構成です)。
事業は「パートナー&マーケットプレイス」と「エンタープライズ」の二つのチャネルで展開しており、前者はホスティングやプラットフォームを通じた中小向け提供、後者は直接販売による大規模サイトのカスタム対応に注力しています。製品ラインは自動修正や継続的な検査機能、利用者向けの操作支援に加え、アクセシビリティ監査や改善作業といった専門サービスを組み合わせ、特許を含む独自技術と研究開発投資で差別化を図っています。
経営方針
同社は年間継続収益(ARR)の拡大を通じた安定成長を目指しています。2024年の売上高は約3,520万ドルで前年から12%増加し、ARRは約3,660万ドルで前年比17%増となりました。顧客数は約127,000社に拡大しており、同社はこうした反復収益モデルを強化することで営業キャッシュフローの改善(2024年は約270万ドルの営業CF)を継続し、2025年も収益成長により資金状況を改善することを目標としています。
同社は製品開発と顧客獲得に重点投資しています。研究開発費は2024年の売上高の約19%を占めており、製品側では自動的にアクセシビリティの障壁を除去するソフトウェアと、非技術者でも理解しやすい問題報告ダッシュボードを強化しています。差別化面では米国で24件の発行特許と3件の出願中特許を保有し、技術と専門サービスを組み合わせた提供形態で競合と一線を画しています。また、2024年9月にADA Site Complianceを買収(対価はおおむね700万ドル)し、専門サービスや監査機能の取り込みにより製品とサービスの幅を広げる具体策を進めています。
事業拡大はチャネル別戦略で進めています。中小・中堅向けのパートナー&マーケットプレイスチャネルがARRの約58%を占め、大口顧客や自治体を含むエンタープライズチャネルが約42%を占めています。同社は買収した顧客基盤のプラットフォーム移行やクロスセルによりエンタープライズとパートナー双方での再現的収益を増やす計画であり、ATMによる資金調達(2024年に約660万ドル調達)や営業投資を通じて需要を取り込みたいと考えています。
技術革新への取り組みでは、同社は特許技術と自動検出・自動修正の両面で優位性を高める方針です。具体的には、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)に準拠するための検査項目を多くカバーする自動テスト機能の充実、専門家による修正支援との連携強化、そして知的財産の拡充に継続的に投資しています。これらにより、法規対応ニーズが高まる市場で「技術+サービス」の一貫提供を通じた差別化をさらに図っていく考えです。