AES CORPAES

時価総額
$100.2億
PER
発電・再生可能エネルギー事業の最大手。データセンター向け長期PPAや蓄電池ソリューションを展開。2024年に1.1GWの再エネ開発案件を買収(12月27日の150MW太陽光事業を含む)。米国、ラテン米州、欧州で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
106文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

AES CORPはグローバルに発電・供給事業を手掛けるエネルギー企業で、特に再生可能エネルギーの開発・運営と需要に合わせた電力の供給を中心に事業を展開しています。同社は太陽光や風力、蓄電池を組み合わせた発電所を開発・保有し、脱炭素化に向けたソリューションを提供しています。

主要な顧客は大手企業(特にデータセンターや鉱山などの産業分野)や地域の電力需要家で、長期の電力販売契約や規制料金、スポット売電を通じて収益を得ています。同社は契約済みの再生可能エネルギー案件のバックログを抱え、これが将来の収入の柱になっています。

事業は概ね再生可能エネルギーの開発・運営、米国内の規制ユーティリティ事業、そして蓄電や運用支援を含むデジタル・サービス提供の三本柱で構成しています。同社は蓄電技術や運用ソフトの展開に注力し、発電所の建設から長期運用まで一貫して手掛けることで総合的なエネルギーソリューションを提供しています。

経営方針

同社は大手企業の脱炭素ニーズに応えることを成長の中心に据えています。特に米国のデータセンター向け需要と海外の鉱業向け需要に強みを持ち、2024年には長期契約で4.4GWの再エネを新たに締結し、運転前のバックログを合計11.9GWまで積み上げました。業界情報では企業向け再エネの販売で世界トップ2に入る評価を得ており、このバックログを将来の成長の中核と位置づけています。また、米国の電力事業(AES Indiana、AES Ohio)には史上最大規模の投資を進め、信頼性向上と低廉な料金維持を両立させることを目指しています。流動性面では2024年末時点の手元現金が約15億ドルあり、2024年6月28日時点の非関係株主保有時価総額は約124.9億ドルでした。

同社が重点投資する分野は風力・太陽光・蓄電池を中心とした再生可能エネルギーと、それらを結びつけるソフトウエアや自動化技術です。蓄電池関連では、フルエンス(Fluence)を通じて世界で5.8GWの導入実績と7.8GWの受注残を持つなど設備面の競争力を高めています。太陽光分野ではAtacama買収(総額約1.05億ドル)や米国内で計1.1GWの開発案件を取得するなど案件獲得を加速しており、プレハブ式で設置を早める技術を持つ5Bへの出資で設置期間短縮と単位面積当たり発電量向上を図っています。差別化の軸は顧客ごとに最適化したソリューションを「受注→設計→納期厳守」で提供する実績と、発電設備に蓄電やソフトウエアを組み合わせる総合力です。

同社は新市場の開拓と事業拡大を、コーポレートPPA(大口の長期電力契約)と地域ごとのユーティリティ投資の両面で進めています。データセンター向け需要は2030年に米国で最大約90GWに達すると見込まれており、同社はここを主要ターゲットに据えています。地理的には、チリや中南米での発電所取得や米国内複数州での開発案件買収を通じてポートフォリオを拡大しており、2025年2月には開発体制を「大きくて数を絞る」方針に再編するリストラクチャリングを開始して、バックログの着実な実行と大口顧客対応に注力する計画です。加えて、AES Ohioの一部売却(約30%)など外部資本との連携も事業拡大の手段にしています。

同社は技術革新を投資と提携で具体化しています。蓄電システムの大規模導入や、消費者向け・需給最適化を支えるUplightへの出資(持分約24.6%)によりソフトウエア面の機能を強化し、電力需要を平準化するサービスを実証・展開しています。5Bのような革新的な太陽光実装技術や自動化によって建設期間短縮・コスト低減を図り、Fluenceの導入実績(5.8GW)と大きなパイプライン(7.8GW受注残、30.3GWの総パイプライン)を活用して新技術を迅速にスケールさせることを目指しています。これらは「設備+蓄電+ソフト」の組合せで顧客に付加価値を提供するための具体的な施策です。