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AMEREN CORPAEE
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事業内容
AMEREN CORPは米国中西部で電力と天然ガスの供給を中心に展開する公益事業の持株会社です。同社は発電所の運営や送電・配電ネットワークの維持、顧客向けの供給サービスを通じて家庭や企業にエネルギーを安定的に届けています。
主要な顧客は住宅、商業、工業の電力・ガス利用者で、地域の公共料金収入が収益の大部分を占めます。同社は州の規制当局が認める料金による収入で比較的安定したキャッシュフローを確保しつつ、送電サービスや一部の卸売り、関連するサービスも収入源にしています。
事業は主にミズーリ州とイリノイ州の地域電力会社、送電会社、サービス会社のグループで構成されています。同社は原子力や天然ガス、再生可能エネルギーを組み合わせた発電ポートフォリオと配電網の整備に注力し、規制事業の安定収益と長期的な設備投資による成長を目指しています。
経営方針
同社は成長の軸を「規制下のエネルギーインフラ投資」「規制制度の改善と政策提言」「業務効率の最適化」の三本柱で進めています。特に規制資産への投資で安定した収益基盤を築き、株主に対しては競争力のある利回りを実現することを目指しています。具体的には送電事業で許容される自己資本利益率(ROE)が10.48%、イリノイ州の電力配電で8.72%、同州の天然ガスで9.44%といった規制上の許容水準があり、同社は「許容ROE」と「実際の稼得ROE」の差を小さくすることを重視しています。資本支出は拡大傾向にあり、連結での設備投資は2024年に約43.2億ドルと大規模に実行しています。
同社は送配電網の強化や再生可能エネルギーの受け入れ拡大、原子力を含む低炭素発電の維持に重点投資しています。これにより顧客のサービス信頼性向上や温室効果ガス削減を図ることを目指しています。規制面では、費用回収を確実にするために料金追跡制度や自動的な料金調整メカニズムを活用しており、2024年末時点で約14億ドルの規制資産と約32億ドルの規制負債を計上するなど、規制会計を通じた収益保全にも取り組んでいます。加えて、原子力廃止措置に備えた信託基金への投資(2024年の購入額約5.84億ドル)など長期的な資産管理も行っています。
同社は新市場や事業規模の拡大にあたっては、送電部門の拡張や地域の経済開発支援を通じた需要基盤の拡大を狙っています。具体的には送電向けの契約や社債発行、地域規制当局や電力系統運用者(RTO)との連携を強め、複数年の料金制度や将来試算に基づく料金設定(マルチイヤー型のレート)を活用して安定的な投資回収を図っています。また、合併・買収も戦略的選択肢として位置づけており、規制環境や訴訟を含む対応(同社は一部の判決に対して控訴している事例があります)を踏まえつつ事業拡大を目指しています。
同社は技術革新にも注力しており、送配電網の近代化やデジタル化、サイバー・フィジカル両面の安全対策を進めることでサービスの信頼性向上と運用効率化を目指しています。社内ではデジタル化による業務の効率化や人材のデジタル育成を推進し、従業員への報酬制度では中長期の業績連動型報酬(例えばパフォーマンス・シェアは目標値で929,947株分が設定され、業績に応じて0〜200%で支給される)を通じて株主価値と従業員インセンティブを連動させています。これらにより、同社は信頼性・脱炭素・収益性の三点を同時に高めることを目指しています。