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ANALOG DEVICES INCADI
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事業内容
Analog Devices Incは、物理世界の信号をセンシングしてデジタルに変換・処理する高性能な集積回路と関連ソリューションを設計・製造する半導体企業です。同社は精密計測や信号処理、電源管理などを軸に、産業機器や自動車、通信機器、消費者向け機器向けの部品とサブシステムを提供しています。
主要な顧客には工場や電力・エネルギー関連の機器メーカー、自動車メーカー、通信事業者やコンシューマー機器メーカーがあり、2024会計年度は工業向けが約46%、自動車向けが約30%、通信が約11%、コンシューマーが約13%を占めています。同社は大口顧客との直接取引に加え、ディストリビューターや代理店を通じた販売も行い、需要予測に応じて生産を調整するビジネスモデルをとっています。
製品面ではアナログと混合信号の集積回路、電源管理IC、データ変換器や増幅器、無線向けのIC、各種センサーやエッジ向けプロセッサーなど幅広いラインナップを持っています。同社は自社工場と外部ファウンドリを組み合わせて製造し、ソフトウェアやサブシステムも含めて顧客の設計や実装を支援することで差別化を図っています。
経営方針
同社は長期的に「持続的かつ収益性の高い成長」を目指しています。直近の通期売上高は約94.3億ドル(2024年)で、投資家還元も重視しており、2024年11月に1株当たり0.92ドル、総額約4.566億ドルの四半期配当を宣言しました。株主還元策としては過去に約150億ドルを上回る自社株買いを実行しており、現行プログラムで約17億ドル分の買い付け余地が残っています。設備投資面では2024会計年度に約7.305億ドルを投じ、財務・資金面では短期のコマーシャルペーパー枠や借入を併用して成長投資とバランスをとる方針です。
同社は重点的に産業機器(インダストリアル)と自動車分野に投資しています。2024年の売上構成は産業が約46%、自動車が約30%を占めており、精密測定、パワー管理、高性能信号処理、各種センサーといったコア技術で差別化を図っています。差別化の源泉は、アナログとデジタルを橋渡しする広範な製品ポートフォリオと、顧客と共同で設計する「設計契約」型の関係、さらに自社ファブと外部ファウンドリの併用による供給柔軟性です。知的財産も強みにしており、米国特許を中心に数千件の特許ポートフォリオを保有しています。
新市場開拓では、買収と戦略的出資を組み合わせる方針です。2021年のMaxim買収は製品レンジ拡大と設計力強化を目的とした大型の成長投資であり、以降もデジタルバイオロジーやライフサイエンス、サステナビリティ分野へのベンチャー投資にコミットしています(コミットメントの一部は約1.98億ドル規模の投資枠として計上)。また、電気自動車の電池管理や充電インフラ、再生可能エネルギーやデータセンター向けの高効率電源・計測ソリューションなど、既存技術を応用して拡大できる市場に注力し、製造能力の地域分散や生産性向上にも投資を続けています。
技術革新については研究開発と製造技術の両輪で取り組んでいます。同社は高精度アナログや混載信号、電力制御、無線フロントエンド、エッジ処理といった領域で製品を開発しており、特許出願や社内の試験・パッケージング設備により製品化までの期間短縮を図っています。2024年度は研究開発費が前年より約1.72億ドル減少したものの、経営陣は製品リーダーシップ維持のための継続的なR&D投資を明言しており、外部ファウンドリとの協働や社内ファブの強化で技術的優位性を保つ方針です。