Abits Group IncABTS

時価総額
PER
ビットコインマイニング事業の新興企業。Antminer S19XPを導入した採掘設備を展開。2022年2月の1,066,666株発行で4,000万ドル調達。米国(テネシー州メンフィス中心)での事業展開。

事業内容

Abits Group Incは、主にビットコインの採掘(マイニング)事業を中心に事業を展開しています。かつてはO2O向けのモバイルアプリやデジタル広告を手掛けていましたが、2022年以降に事業を再編し、採掘設備の導入と運用に注力しています。

同社の収益は、採掘で得たビットコインを市場で売却して得る売上が中心です。同時に電力や施設のホスティング費用、採掘設備の調達やローン返済が主なコストとなり、収益はビットコイン価格や採掘状況に大きく左右されます。

事業の中身は大きく分けて、自社でのマイニング運用、外部施設とのホスティング契約による設備設置・運営、そして採掘機器の購入や資金調達の管理です。中国や香港に関連会社を持ちつつ、実運用は米国を中心に展開しており、以前の広告事業は既に整理しています。

経営方針

同社は2022年3月に従来のデジタル広告事業を整理し、ビットコインマイニング事業へ転換することで成長の軸を切り替えました。2022年の資金調達で約4,000万ドルを調達し、マイニング設備への投資を加速させています。直近の業績では2024年の売上が6,711,225ドル、営業利益が3,375,406ドルで、税引前損益は‑798,293ドル、総資産は約1,137万ドル、現金残高は約111.9万ドルとなっており、同社はマイニング事業の採算性の確立と事業規模の拡大を目指しています。

重点投資分野はハードウェア調達と米国内でのホスティング整備で、差別化は自社による設備取得と現地ホスティング契約の組み合わせにあります。具体的には3,214,800ドルでBitmainからASICマシンを購入し、導入で処理能力を大幅に引き上げる計画です。ホスティング先とは当初の預託金275,940ドル(改定後285,600ドル)と、運用利益に対するシェア方式(改定後33.5%を設定)を含む契約を結び、固定費を抑えつつ収益性に応じた支払構造を採用しています。従業員は計11名で、うち約7名がマイニングに携わる小規模で機動的な体制をとっています。

新市場開拓と事業拡大では、米テネシー州メンフィス等の現地施設に重点を置き、2025年4月にAntminer S19XPなどの新機材を投入してマイニング能力を実質的に倍増させる計画です。設備取得資金としては、ジジェズ・ホールディングスとの間で3,000,000ドルの貸付契約(年利12%、24カ月)を締結しており、必要に応じて追加の買収や戦略的提携も検討するとしています。ただし同社自身も課題として買収後の統合リスクや資金調達の希薄化を認識しており、慎重な資本政策を併せて進めています。

技術革新への取り組みは最新のマイニング機材導入と運用管理の高度化に集中しています。具体的施策としては、最新ASICの配備によるハッシュレート向上のほか、デジタル資産の会計処理見直しやマイニング収益の監視体制整備を実施中です。内部統制面でも独立取締役の任命、委員会設置、財務人材の強化や文書化された手続きの導入で改善を図っており、サイバーリスクへの取組みや監視プラットフォームの整備を進めることで運用の信頼性向上を目指しています。