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事業内容
Abbott Laboratoriesは、医療機器、診断装置、栄養製品、既存医薬品を手掛ける世界的なヘルスケア企業です。同社は心臓治療用デバイスや糖尿病向けの持続血糖測定システム、病院や検査室向けの診断機器、乳児・成人向けの栄養製品など幅広い製品群を主力にしています。
主な顧客は病院、クリニック、臨床検査室、薬局、卸売業者、政府機関および一般消費者で、市場や製品に応じて直接販売したり流通業者を通じて販売したりしています。同社の収益は医療機器や装置の販売に加え、検査試薬やセンサー、乳児用ミルクなどの消耗品が繰り返し購入されることで安定したストリームを生んでいます。
事業は医療機器(心血管・神経調節・糖尿病ケア)、診断(中核検査装置、迅速・分子検査)、栄養(乳幼児・成人用)、既存医薬品の4つのセグメントで構成しています。同社はFreeStyle LibreやSimilac、Ensure、Alinity、BinaxNOW、MitraClipやXIENCEといった製品ラインで臨床現場と消費者双方のニーズに応えています。
経営方針
同社は売上の拡大と収益性の改善を同時に達成することを目指しています。2024年の売上成長は主に医療機器、既存医薬品、栄養製品が牽引し、国際売上が全体の約61%、新興市場が全体の約37%を占め、新興市場は為替の影響を除き2024年に約8.2%の伸びを記録しました。営業利益率は2024年に16.3%に改善しており、同社はこれらの成長を新製品投入や適応拡大、並びにコスト改善施策で支える方針です。研究開発費は2024年に約28億ドル、設備投資は約22億ドルと、成長投資と収益性向上の両面に資金を配分しています。
同社は重点投資分野として医療機器、診断、栄養、既存医薬品、さらに糖尿病管理の「つながるケア」領域を挙げています。差別化の核としては、連続血糖測定(FreeStyleブランドなど)や臨床検査の自動化・情報化(Alinityなど)といった製品・サービスの組み合わせにより、顧客に包括的なソリューションを提供する点を重視しています。具体的施策としては、重要技術や製品を有する企業の買収(2023年のCardiovascular Systems社買収は約8.51億ドル、Bigfootの取得など)や自社工場・設備への投資、そして株主還元策としての自社株買い(2021年に最大50億ドル、2024年に追加で最大70億ドル承認)を通じた資本配分を行っています。
同社は新興市場でのプレゼンス強化と慢性疾患領域での事業拡大を目指しています。新興市場からの売上比率が高く、地域別の成長機会を重視しているため、製品の適応拡大や現地販売チャネルの強化、規制適合を含む市場投入速度の向上に注力しています。ポートフォリオ最適化も並行して進めており、2024年には業務の効率化や非中核品の見直しとしてZonePerfect®の継続中止やリストラ費用約1.29億ドルを計上するなど、資源配分を成長分野へ振り向ける施策を実行しています。
同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、研究開発パイプラインとデジタル化への投資を継続しています。2024年の研究開発費約28億ドルに加え、買収により得た研究資産(IPR&Dは約7.84億ドルの計上がある一方で、2024年には一部で3,900万ドルの評価損を計上)を適切に評価・統合することで、承認を目指す候補の速やかな商用化を図っています。製品の付加価値向上や検査・治療のデータ連携を進める一方で、サイバーセキュリティ対策やラボ向け情報システムの整備など、製品とサービスを安全に結び付ける基盤づくりにも投資しています。