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あいホールディングスJP:3076
事業内容
あいホールディングス株式会社は、セキュリティ機器、カード発行機器、情報機器、計測機器、情報通信システム、建築設計などを手がける企業グループの純粋持株会社です。同社はグループ各社の経営指導を行い、製品の開発・製造・販売や保守サービスを中心に事業を展開しています。
主要な顧客は病院や金融機関、企業の情報システム部門、研究機関、公共・民間の建築発注者など幅広く、製品販売に加えて保守契約やリース・割賦といった継続収入が収益の柱になっています。同社は近年の子会社化でビジネスフォンなど情報通信分野や電子計測分野を強化し、複数の事業セグメントから売上を確保しています。
同社は事業をセキュリティ機器、カード機器・事務機、情報機器(プロッタやスキャナ等)、計測機器、情報通信、建築設計、そして節電・省エネやソフト開発・保守・リースを含む「その他」に分けて展開しています。各分野で製品販売と合わせて保守・サービス提供やリースを組み合わせた提案を行い、安定した収益確保を目指しています。
経営方針
あいホールディングスは中長期的に「高い収益力と安定性の確保」を経営の柱に据えており、短期的には営業利益の絶対値目標を掲げ、長期的には1株当たり利益(EPS)の最大化を目指しています。成長の主要手段として積極的なM&Aと業務提携を位置付けており、買収による事業拡大と営業力強化で売上・利益基盤を拡大する方針です。ただし、のれんの償却などで短期的に利益が変動する可能性があることを想定し、投資の効果とリスクを見極めながら進めることを重視しています。
重点投資分野はセキュリティ機器とニッチ領域、ならびに脱炭素・省エネシステム、情報通信分野です。同社はマンション向けの安定需要を基盤にしつつ、企業や施設向けの高機能製品や価格面での差別化を図ることで付加価値を高める戦略をとっています。具体的にはハード販売に加えて保守契約やリースを組み合わせた継続収入モデルを拡充し、製品のIoT化・AI化やクラウド連携によるサービス化を進めることで他社との差別化を図るとともに、施工業者の発掘・教育や販売チャネル強化にも投資を行っています。
新市場開拓では海外のコンシューマ向け機器市場拡大や医療・金融分野での即時カード発行機需要の取り込み、さらには高齢化対応の老健・介護施設向け提案を重視しています。具体策として、昨年子会社化した岩崎通信機や今年子会社化したナカヨのビジネスホン事業統合を早期に進め、グループ内シナジーを創出することを掲げています。また、M&Aによる事業参入・撤退は市場シェアや成長スピード、事業の安定性を基準に判断し、必要に応じて事業売却で資金を再投下するなどポートフォリオの見直しを行っています。
技術革新への取り組みは映像圧縮や光学技術、クラウド化、AI活用を含む製品の基礎技術強化と、製品のIoT化・サービス化の両面で進められています。同社は新製品開発やソフト開発・保守体制の強化、クラウドベースの解析サービスやAIによる「見える化」機能の導入など具体的施策を通じて、ハード中心からハード+サービスのビジネスモデルへ転換を図っています。加えて、省エネシステムなどの新規事業での人材確保や設置体制整備にも注力し、技術投資と現場運用の両輪で競争力を高めることを目指しています。