DEVON ENERGY CORPDVN

時価総額
$205.5億
PER
石油・天然ガスの探査・開発・生産の大手。デラウェア盆地、イーグルフォード、ウィリストンなどの優良資産と約240万ネットエーカーの資産ポートフォリオを展開。2024年9月のウィリストン事業を約50億ドルで買収。米国中心に展開。

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事業内容

Devon Energy Corporationは、米国を中心に石油と天然ガスの探査・開発・生産を主力とする独立系エネルギー会社で、油、天然ガス、そして天然ガス由来の液体製品(NGL)を生産しています。主に地上の油・ガス井の掘削と操業を行い、採掘した資源を市場に販売して収益を上げています。

同社の顧客は精製業者やガス供給業者、パイプラインやマーケティング会社など多様で、生産の大部分を市場価格に連動した長短の契約で販売しています。価格変動リスクに備えて、同社は一部生産をヘッジし、また自社の中流・販売活動からの収入や、操業している井戸に対する経費の按分回収も収益源としています。

事業は探査・生産を中核に、マーケティングや中流サービスも含めた構成で、米国内の主要な産地(例:デラウェア盆地、イーグルフォード、ウィリストンなど)で展開しています。約8,100本の操業井戸を直接運営し、約240万ネットエーカーの権益を保有しているほか、買収・売却を通じて資産ポートフォリオを最適化し、安定したキャッシュフローと株主還元を重視した運営を行っています。

経営方針

同社は一貫して同業他社と比べて競争力のある株主還元を実現することを成長戦略の軸に据えています。具体的には、資本効率を重視しつつ生産成長を「適度に」進め、再投資率を最適化してフリーキャッシュフローを最大化することを目指しています。2024年の実績では原油生産が347千バレル/日(前年比+8%)に達し、営業キャッシュフローは66億ドル、期末の流動性は38億ドル(現金8億ドル含む)となりました。配当・自社株買いを通じた現金還元も重視しており、同社の取締役会は固定配当について「営業キャッシュフローの最大10%程度」を目安に考慮すると述べています。

投資の重点分野としては、デルタバレー(Delaware Basin)を中心にロッキー山脈、イーグルフォード、アナダルコなどの米国内主要鉱区に資源を集中させています。保有する純保有面積は約237万エーカー、そのうち約160万エーカーが生産維持されており、好立地の鉱区と深い掘削候補のインベントリを差別化要因としています。オペレーターとして約8,132本の井戸を管理し、原資産からのキャッシュ創出力を優先することで他社との競争優位を築いています。また株主還元の手段としては2024年に権限を拡大した50億ドルの自社株買い枠があり、これまでに約6900万株・約33.4億ドル(取得平均約48.46ドル/株)を買い戻しています。

事業拡大と新市場への展開は、買収による規模拡大を通じて進めています。代表例として2024年9月に完了したグレイソン・ミルのウィリストン事業買収は総額約50億ドル(現金約35.7億ドル+約3,730万株の株式対価、株価基準で約14.55億ドル相当)で、買収時点の資産配分では既存埋蔵資産に約30.6億ドル、未開発資産に約17.7億ドルが割り当てられました。この取引は即時の生産拡大と長期的なスケールメリット創出を目的としており、買収後のプロフォーマでは2024年通期の総収入が約179.3億ドル、純利益が約31.66億ドルとなっています。今後も資産の入れ替えや選択的な売却・買収を通じてポートフォリオ最適化を図る計画です。

技術革新とリスク管理にも注力しており、安全で効率的な操業を通じた「オペレーションの卓越性」を掲げています。環境・社会・企業統治(ESG)指標を経営評価に組み込み、温室効果ガス低減などの環境目標を設定している点が特徴です。デジタル面では監視・検知ツールや暗号化を含むサイバーセキュリティ体制を整備し、外部ベンダーのリスク評価も実施しています。価格変動対応では一部生産をヘッジしており、デリバティブの感応度試算では市場曲線が10%変動すると評価額で約3億ドルの影響が出ると開示するなど、財務的な耐性向上にも具体的な取り組みをしています。