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ZEBRA TECHNOLOGIES CORPZBRA
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事業内容
ZEBRA TECHNOLOGIES CORPは、企業の現場業務を支えるハードウェアとソフトウェアを一体で展開する企業です。業務用のモバイル端末、バーコードやカード用プリンタ、各種スキャナや無線識別(RFID)、機械視覚ソリューションに加え、クラウド型ソフトや自律ロボット、保守・管理サービスも手掛けています。
同社の顧客層は小売、運輸・物流、製造、医療などのフロントライン業務を持つ企業が中心で、販売は流通業者や付加価値提供事業者、OEM、直接販売を組み合わせて行っています。収益構造は物品販売が大きな割合を占める一方で、ソフトやサービス、消耗品の定期収入が増加しており、2024年は物品が約40億ドル、サービスとソフトが約9.7億ドルで、上位3社の流通顧客がそれぞれ約21%、19%、14%を占めます。
同社の事業は複数の製品ラインで構成され、モバイルコンピューティング、データキャプチャと固定式スキャナ、機械視覚、プリント製品、RFID・位置情報システム、ワークフロー最適化ソフトおよびロボティクス、さらにサービスと消耗品に分かれています。とくにワークフロー最適化はクラウド型サブスクリプション、管理サービス、ソフト搭載の自律ロボットを組み合わせて現場の可視化と生産性向上を支援しています。
経営方針
同社はエンタープライズ資産インテリジェンス(EAI)分野での市場優位を活かし、売上と利益の拡大を目指しています。2024年の売上高は49.8億ドル、営業利益は7.42億ドル、純利益は5.28億ドル、営業活動によるキャッシュフローは10.13億ドルと回復基調にあり、報告上の有機成長率は約8.1%でした。こうした財務基盤を背景に、同社はコア事業でのシェア獲得と収益性改善を優先課題としています(ただし、2025年は貿易政策や為替の不確実性を見込んでいます)。
同社はモバイル端末やデータ取得、バーコード印刷を中核に、サービス・消耗品・ソフトウェアの「アタッチ」収益を強化することに重点投資しています。具体的には、2024年のサービス・ソフトウェア売上は9.65億ドルで全体の約19%を占め、研究開発費は5.63億ドル(売上比約11.3%)を投じています。また、2022年の生産性向上計画と米国自主退職計画により約1.2億ドルの年次コスト削減を実現しており、広範な導入実績(業界最大級のインストールベース)とグローバルなチャネル網を差別化要因として高い顧客ロックインを狙っています。
新市場開拓と事業拡大では、ロボティクスやワークフロー最適化、クラウド型サブスクリプションを通じた顧客接点の拡大を進めています。買収も成長手段として位置づけており、2024年末に発表した3DマシンビジョンのPhotoneo買収(約6,000万ユーロ、2025年第1四半期のクロージング予定)や、過去のMatrox買収(8.81億ドル)などで能力を補完してきました。これらを通じて小売・物流・製造・ヘルスケアといった前線業務の効率化向けに、既存顧客や新規セグメントでのシェア拡大を目指しています。
同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、IoT、クラウド、人工知能、モビリティ、そして2D/3DイメージングやRFIDといったデータ取得技術への投資を強めています。具体的には、WiFi7や5G、Androidへのプラットフォーム移行対応や、センサーとクラウドを組み合わせたエンドツーエンドの可視化ソリューションの開発に注力しており、現場作業者と資産を「常時接続・可視化・最適化」するEAIビジョンを実装することで、顧客の業務改善と同社の高付加価値サービス拡大を図っています。