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Walgreens Boots Alliance, Inc.WBA
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事業内容
Walgreens Boots Alliance, Inc.は主にドラッグストアを中心とした小売と医療関連サービスを展開する企業です。
同社は処方箋の調剤や一般用医薬品、日用品の店頭販売・オンライン販売を核に、店舗内外での健康相談や簡易クリニック運営、専門薬局サービスなど幅広いヘルスケア事業を行っています。
同社の顧客は一般消費者に加え、処方薬をカバーする保険や処方管理団体(PBM)、政府の医療制度、病院や保険者といった団体も含みます。
収益は店頭・オンラインの小売売上、処方薬の支払い(多くは第三者が負担)、医療サービスと製薬卸売の取引が中心で、特に複数の大手第三者支払者が売上に大きく影響しています(2024年度は三社で約34%を占めました)。
事業は主に米国小売薬局、製薬卸売、国際事業(英国を中心とするブーツ事業)、および米国ヘルスケア事業に分かれています。
米国ヘルスケアではVillageMDやSummitなどを通じた一次医療や在宅ケア、専門薬局では高額で複雑な薬の取り扱いがあり、同社はこれらの成長領域と店舗とオンラインを組み合わせた顧客体験の強化に注力しています。
経営方針
同社は長期的な株主価値の最大化を成長戦略の中心に据え、コアとなる小売および専門薬局事業の立て直しを目指しています。2024会計年度に実施した戦略・業務レビューを通じ、費用構造の最適化を重視しており、2018年に開始した「変革的コスト管理プログラム」は当初の年次目標を上回り、2024会計年度末までに年間45億ドルのコスト削減を実現しました。一方で、最適化に伴う一時的な会計上の前払費用は累計で約43億ドルにのぼっています。
同社は投資の重点を店舗体験、薬局サービス、そして医療サービスの統合に置いて差別化を図っています。具体的には、店舗の品揃えを見直してナショナルブランドを絞り自社ブランドを拡充する計画や、薬局の収益性を安定化させるために薬局給付管理業者(PBM)と交渉・協業する施策を進めています。また、プライマリケアや価値重視の医療提供体制に注力するため、VillageMDやSummit、Shields、CareCentrixなどの買収によりU.S. Healthcareの強化を図っており、VillageMDの取得では総額約52億ドル(現金40億ドル+約12億ドルの約束手形)を投じて持分を拡大しました。
新市場開拓や事業ポートフォリオの再編にも積極的です。経営は非中核資産の現金化や投資ポートフォリオの収穫を明言しており、CencoraやBrightSpringなどの資産の評価・売却を通じて資金を創出する方針です。店舗網については効率化を優先しており、2024年10月に承認された「フットプリント最適化プログラム」では米国を中心に約900〜1,000店の追加閉鎖を想定しています(これ以前の取り組みで英国約650店・米国約950店の閉鎖が承認され、2024年8月末時点で英国624店、米国676店が閉鎖済み)。資金調達面では2024年8月に7億5,000万ドルの社債(利率8.125%、2029年償還)を発行するなど柔軟な資本政策をとっています。
技術革新についてはITとデジタル化を成長と効率化の両輪と位置づけ、顧客接点のデジタル化やオムニチャネル対応の強化に投資しています。変革的コスト管理の一環でIT機能の再構築を進め、店舗・オンライン・モバイルの統合的な顧客体験や保険・支払いの新しい仕組み(プロバイダーステータスや価値に基づく決済の模索)を推進しています。加えて、情報セキュリティの重要性を認識し、最高情報責任者(CIO)と最高情報セキュリティ責任者(CISO)の下で多層防御の体制を整える取り組みを継続しています。