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Viking Therapeutics, Inc.VKTX
事業内容
Viking Therapeutics, Inc.は臨床段階のバイオ医薬品企業で、主に代謝性疾患やホルモン関連の病態に対する新薬の研究開発を行っています。同社は体重管理や脂肪肝、筋力低下といった未解決の医療ニーズに焦点を当てた創薬プログラムを進めています。
同社は現時点で承認薬の販売からの収入をほとんど持たないため、収益は限定的で、主に提携やライセンス契約からのマイルストーン収入、研究資金、ならびに公募や私募による資金調達で事業活動を支えています。同社は臨床開発の進展やパートナーシップの成立を通じて、将来的な商業収入の獲得を目指しています。
事業面では、筋肉量や機能の改善を目指す臨床候補や、肥満治療を狙った二重アミリン・カルシトニン受容体作動薬など、前臨床から臨床段階まで複数のプログラムを保有しています。同社は各プログラムを段階的に進めつつ、外部企業との共同開発やライセンスを通じた実用化を目指しています。
経営方針
同社は、臨床段階のバイオ医薬品企業としてパイプラインの早期臨床から次フェーズへの移行を通じて成長を図ることを目指しています。資金面では、2023年4月の公募で純収入約2.7億ドル、2024年3月の公募で純収入約5.97億ドルを調達し、合計で約8.7億ドルを確保しており、これを主に研究開発と臨床試験の推進に充てる計画です。株主還元や資本効率の向上も重視しており、取締役会は2025年2月に最大2.5億ドルまでの自社株買い枠を承認しています。こうした資金基盤により、同社は三つの臨床候補薬の重要マイルストーン達成を目指しています。
同社は研究開発への重点投資を通じて既存の大手企業と差別化することを目指しています。重点分野は代謝疾患と内分泌疾患で、特に体重管理や筋機能改善を狙うプログラムに資源を集中させています。小規模で専門性の高い人員構成(2024年末時点で従業員36名、うち博士号・医師資格保有者8名)により意思決定を迅速化し、外部との共同開発やライセンスアウトを戦略的に活用してリスクとコストを抑えています。差別化の一環として、世界各国で特許出願・付与を進めており、主要プログラムでは2040年代までの特許保護を見込む資産を持っています。
同社は新市場開拓と事業拡大を、社内開発と外部連携の組み合わせで進めることを目指しています。肥満市場や糖代謝に関連する国際市場を重点ターゲットとし、パートナーシップやライセンス供与により地域別の商業化を加速する方針です。具体的には、臨床データが得られたプログラムについては国内外での規制申請や提携交渉を並行して進め、必要に応じて追加の資金調達や戦略的買収・提携も検討することで市場参入を拡大していきます。
同社は技術革新に継続的に投資しており、独自のメカニズムを持つ候補薬の創出を重視しています。社内で進める二重アミリン/カルシトニン受容体作動薬(DACRA)プログラムは、プレ臨床で有望な体重減少効果を示しており、これが将来の競争優位の核になると見ています。臨床段階の候補ではVK5211が報告上、用量に応じてプラセボ調整で筋量が0.5 mgで+1.7 kg、1.0 mgで+2.6 kg、2.0 mgで+3.1 kgと増加し、有害事象の主要な増加は観察されていません。こうした臨床信号と広範な知財戦略を組み合わせ、同社は「第一の薬」または「最良の薬」を目指した技術開発を継続しています。