- 米国企業
- TortoiseEcofin Acquisition Corp. III
TortoiseEcofin Acquisition Corp. IIITRTL
事業内容
TortoiseEcofin Acquisition Corp. IIIは、特定の未上場企業と合併することでその企業を公開市場に導くことを目的とした特別買収目的会社です。同社は公開で資金を集めて信託口座に現金を保有し、その資金を使って買収候補を探し、交渉や契約締結まで進めています。最終的に合併を通じて投資家へのリターンを目指しています。
同社の主要な相手は資金を出す個人・機関投資家と、上場を希望する民間企業です。収益構造は一般的な製品販売型の会社とは異なり、IPOで集めた資金の利息や、買収成立時に行う株式発行や私募による資金調達による効果に依存し、合併完了後は結合先企業の事業収益が主な収入源になります。加えて、スポンサー関連の取り分やワラント(新株予約権)の扱いが収益に影響することがあります。
同社の事業は大きく分けて三つあります。買収候補の発掘・詳細調査・交渉を行う投資活動、投資家資金を管理する信託や現金運用の業務、そして合併後に公開会社としての運営や資本構成の最適化を支援する事後支援です。経営陣は幅広い業界のネットワークを持ち、複数の案件を同時に検討して迅速に取引を進めることを重視しています。
経営方針
同社は主に「初回の事業結合(ビジネス・コンビネーション)」を通じた成長を目指しています。具体的には、2024年4月22日だった合併期限を延長して2024年10月22日までに組成を完了することを目標にしており(延長のための株主総会を2024年4月18日に開催する手続きをとっています)、資金調達は2021年のIPOによる信託口座の現金やプライベート・プレースメントワラント(合計で6,333,333+600,000のワラントを引き受けた実績)および必要に応じた株式や負債の組み合わせで行う計画です。投資家向けの参考数値として、2023年6月30日時点の市場価値は約3.58億ドル、2024年3月29日時点でClass A株式17,264,702株、Class B株式8,625,000株が発行済みです。
重点投資分野はエネルギーおよびクリーンエネルギー関連の事業で、実際にOne Energyとの事業結合を想定した契約(2024年2月14日付で改定された事業結合契約)を締結しています。同社はターゲット企業に対し、単なる資金提供者ではなく「既存の公開会社として上場手続きを短縮・柔軟化できるパートナー」を提供することを差別化点としています。経営陣は投資・実務経験が豊富であり、買収後に業績改善や収益拡大を図るために、営業効率の改善、マージン拡大、有機的成長投資や追加の戦略的買収などを実行する戦力を持つことを強調しています。
新市場開拓や事業拡大については、同社はプライベート企業に対して上場ルートを提供することを軸に、結合後の残余資金を用いて事業の維持・拡大、借入金の返済、追加M&Aや運転資金に充当することを想定しています。必要に応じてPIPE(個別投資家による資金調達)などを活用して追加資金を確保する方針で、複数案件を並行して検討・実行できる体制でスピードと選択肢の多さを売りにしています。なお、同社は「エマージング・グロース・カンパニー」としてJOBS法の適用を受けるため、新しい会計基準の適用時期を私企業基準に合わせる選択肢を保持しています。
技術革新とガバナンス面では、同社は買収先の事業価値を高めるためにオペレーションの改善や成長プロジェクトへの技術投資を行う方針です。同時に内部統制の強化にも取り組んでおり、引受手数料の繰延に関する会計処理の取り扱いで識別された開示統制の弱点を受け、外部専門家の活用やプロセスの見直しを進めています。2024年にSECが導入したSPAC向けルールの影響にも対応する必要があるため、情報開示や利害相反の管理を強化して事業結合の実現性を高めることを目指しています。