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TRIMBLE INC.TRMB
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事業内容
TRIMBLE INC.は、現場の位置情報と業務プロセスを一体化するハードウェアとソフトウェアを中心に事業を展開する企業です。主力は測位機器やセンサーなどの現場機器と、それらをつなぐクラウド型の業務プラットフォームやサブスクリプション型ソフトウェアで、AIやデータ連携を活用した生産性向上に注力しています。
同社の主要顧客は建設会社や測量事務所、土木・インフラ事業者、さらに運送業者や荷主など企業顧客が中心で、ディーラーやOEM、直接販売を通じて世界各地に製品を供給しています。収益構造は従来のハードウェア売上と、保守・サブスクリプション・クラウドサービスなどの継続収入が混在しており、近年は継続収入の比率が高まっています。
事業は大きく現場向けの測位・誘導機器、設計・施工の連携を支えるコラボレーション/クラウドソフト、そして輸配送管理やマーケットプレイスを含む輸送向けソリューションに分かれます。各セグメントでセンサーやハードとソフトを統合した垂直特化型の製品ラインを揃え、研究開発と買収で機能を強化している点が特徴です。
経営方針
Trimbleは成長を「ソフトウェアとサービスを軸にした再現性の高い収益」へシフトすることで実現しようとしています。年次化された継続収益(ARR)は2024年末で約22.6億ドルに達し、前年から14%の増加を記録しており、2024年の売上に占めるソフトウェア・サービス・継続収益の比率は76%にまで高まっています。こうした収益構造の転換により同社は売上の見通しを高め、長期的な利益成長とキャッシュ創出を目指しています。
重点投資は業界に特化したソフトウェア、クラウド基盤、そして現場をつなぐ端末やセンサーを組み合わせたソリューションです。Trimbleは垂直市場ごとの業務プロセスに深く入り込むことを差別化点とし、設計・施工や輸送などの業務を一つのデータ環境でつなぐことで顧客の生産性や品質、安全性を改善します。研究開発と買収にも積極的で、特許は1000件超を保有し、新機能や業務連携を通じて他社と異なる価値を提供することを目指しています。
新規市場開拓と事業再編は、M&Aと資産売却を通じて加速しています。近年は2023年のTransporeon買収や2024年の農業事業(Ag)売却で19億ドルの現金を受け取り、同事業はPTx TrimbleとしてAGCOが85%を保有する合弁に移行しTrimbleは15%を保持しています。さらに車両向けモビリティ事業はPlatform Scienceへの売却で約2.49億ドル相当の持分・ワラントを取得し、2024年以降で12件の買収と23件の事業売却を実行するなど、資源配分を成長分野へ集中しています。
技術革新では「Connect & Scale」戦略で顧客ワークフローをクラウドでつなぎ、サブスクリプションやAIを組み込むことに注力しています。Connectでは設計から現場、供給網までのデータ連携を進め、Scaleでは社内の共通基盤やプロセス標準化による規模の経済を追求します。自動化や高精度の位置情報技術、クラウド型の提供モデル(SaaS)を組み合わせることで、同社は顧客の業務効率化と持続可能性の向上を実現することを目指しています。