TREX CO INCTREX

時価総額
$37.5億
PER
木材代替の複合デッキ製造の世界最大手。再生木繊維とリサイクルポリエチレンを組み合わせた30年以上の製品実績を持つ高耐久・低メンテナンスのデッキ、手すり、フェンス等の屋外製品を展開。2023年5月4日付で最大1,080万株の自社株買いプログラムを導入。米国製造を基盤とする展開。

事業内容

Trex Company, Inc.は木材の代替となる複合デッキや住宅用手すり、屋外向けのリビング製品を設計・製造・販売しています。同社の主力ブランド製品は回収した木質繊維とリサイクルされたポリエチレンを組み合わせた独自の製造法で、耐久性が高く手入れが少ない点を訴求しています。

主要な顧客層は個人宅の所有者とプロの施工業者、そして大手ホームセンターなどの小売チャネルです。同社は小売・プロチャネル双方で製品を流通させ、製品売上が収益の大部分を占める構造で、価格帯の幅を持たせることで木材からの転換を促し収益拡大を図っています。

事業は主に住宅向け(Residential)と商業向けのセグメントに分かれており、住宅向けが売上の中心となっています。同社の製品ラインはデッキ材(高級〜手頃なシリーズ)、手すり、フェンス、外壁材、取り付け金具や屋外照明などの付属品まで広く揃え、設計支援や保証対応も行っています。

生産は主に米国内の自社工場で行い、リサイクル素材の活用や製造効率の改善でコスト優位性を高めることに注力しています。同社はブランド投資と新製品投入を通じて木材からの転換を加速し、市場拡大と利幅の拡大を目指しています。

経営方針

同社は「木材から複合材への置き換え」を加速し、屋外リビング市場でのリーダーシップを強化することで持続的な成長を目指しています。直近の業績では2024年の売上高が約11.5億ドル、当期純利益が約2.26億ドル、1株当たり基本利益は2.09ドルとなっており、売上・利益の両面での拡大と利益率の改善を重視しています。また株主還元の一環として、最大1,080万株までの自社株買い制限を設定しており、2024年第4四半期だけで758,240株を買い戻しています(配当は行わず利益の内部留保や自社株買いに充てる方針)。

同社の差別化は、強いブランド力と「持続可能で手間がかからない」製品群にあります。30年以上の経験に基づく独自製法で、再生木繊維とリサイクルポリエチレンを組み合わせた複合材を製造し、デッキや手すりだけでなくフェンス、外壁材、照明や金具類まで幅広く展開しています。これらを主要なホームセンターやプロ向け販売網で広く取り扱ってもらうため、マーケティング投資やチャネル強化に注力しており、製品ラインを価格帯別に揃えることで木材からのコンバージョンを促進しています。品質管理面では、過去の表面劣化クレームに備えるための引当金として約720万ドルを計上するなど、品質維持に関連する投資や対応も継続しています。

事業拡大の方針としては、2022年に商業向け事業を売却して得た資源を住宅向け屋外リビング分野に集中投入する戦略をとっています。同社は新製品の投入で市場を拡大することを目指しており、低価格帯から高付加価値品まで複数の製品を展開することで顧客の幅を広げる計画です。流通面では主要小売店舗とプロチャネルの両方での訴求を強め、ブランド認知度を高めることにより、既存市場でのシェア拡大と新たな需要喚起を図っています。

技術革新では、材料研究と生産プロセスの改良に重点を置いており、より低コストで高性能な次世代材料の開発を進めています。具体的には素材の投入原料の幅を広げる取り組みや新たな素材プロセスの導入で原価低減と環境性能の両立を目指しています。また生産性向上のための設備投資やスループット改善にも資本を振り向け、需要変動に対応する供給能力の強化を図っています。財務面では季節的な運転資金に備えて変動金利のリボ借入があり(2024年末で約2.026億ドル)、資本政策と技術投資を両立させる運営を目指しています。