Atlassian CorpTEAM

時価総額
$425.1億
PER
チーム向けコラボレーション・開発ツールの大手。Jira、Confluence、TrelloなどのプロダクトとAI対応のアプリ・エージェントを展開。2024年9月に15億ドルの自社株買い枠設定、2025年4月に運用開始。米国・欧州・アジアで展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

Atlassian Corpはチームのコラボレーションとソフトウェア開発を支援するクラウド中心のソフトウェア企業です。同社は課題管理のJira、情報共有のConfluence、ソース管理のBitbucket、視覚的な作業管理のTrelloなどを主力製品として提供しています。

主要顧客は中小企業から大手企業までの開発チームやIT・業務チームで、ユーザーや席数に応じたサブスクリプション収益が売上の大部分を占めています。同社はセルフサービス販売を軸にパートナー経由の導入支援やマーケットプレイスでの有料アプリ販売による収入拡大も図っています。

事業は大きくソフトウェア開発・IT向けの製品群、チームコラボレーション向けの製品群、そしてクラウド基盤とマーケットプレイスの三本柱で成り立っています。同社はクラウドへの移行とAI機能の導入に投資し、外部開発者が作るアプリやエージェントを通じて機能拡張と収益の多様化を進めています。

経営方針

同社はサブスクリプション主導の成長とクラウド移行の加速を目指しています。製品のクラウド版への移行を収益拡大の中心に据え、既存顧客のアップセルとエンタープライズ顧客の獲得で有料ユーザー数と契約期間を延ばすことで安定的な収入基盤を作る戦略です。グローバルに200以上の国・地域で事業を展開しており、財務面では株主還元も重視していて、2024年に承認された1.5億ドル(注:正確には15億ドル)の自己株買い枠の下、2025会計年度に約400万株、約7.8億ドルを買い戻すなど資本配分を行っています。

重点投資分野はクラウド基盤の強化、研究開発、人材確保と営業力の拡充です。特にクラウドインフラと人工知能(AI)機能の開発に注力し、社内外のアプリや連携を通じて「ワークの仕組み」を統合する点で差別化を図っています。同社はエンタープライズ向け営業を強化しており、従業員は約13,800名(2025年6月時点)と人員投資も進めているため、製品・サービスの深掘りと導入支援で大企業への導入を押し進める方針です。

新市場開拓や事業拡大では、政府機関向けの専用クラウド(Atlassian Government Cloud や Isolated Cloud)や、開発者以外のIT部門や事業部門への展開を明確に打ち出しています。これに伴い、長期での企業契約を獲得するための営業体制を整備し、マーケットプレイスやパートナー経由のエコシステム拡大、必要に応じた買収・提携も視野に入れているため、地域・業種を横断した顧客基盤の拡大を図っています。

技術革新への取り組みでは、同社は人工知能を組み込んだアプリやエージェント群、Rovoなどのプラットフォームを通じて製品差別化を進めています。クラウド移行やAI機能の投入には研究開発費と運用インフラ投資がかさむため短期的には利益率に圧力がかかることを想定しつつ、セキュリティやコンプライアンス対応を強化して大口顧客の信頼を得ることを重視しています。