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SPLUNK INCSPLK
事業内容
SPLUNK INCは、企業のITシステムやアプリケーション、ネットワークが出す大量のログや機械データを集めて見える化・分析するソフトとクラウド基盤を提供する企業です。同社の主力は、データをリアルタイムで検索・可視化して運用やセキュリティの問題を検知・対応する基盤で、オンプレミス向けの有償ライセンスとクラウド型の定額サービスを中心に展開しています。
主要顧客は大企業や政府機関、教育機関など幅広く、フォーチュン100の多くが導入しています。同社はソフトライセンス販売、クラウドの定期収益、保守・サポート、導入支援や教育サービスで収益を得ており、既存顧客の契約更新や利用拡大が収益成長の重要な要素です。
事業は大きく基盤ソフト、セキュリティ向けソリューション、システム運用監視の領域に分かれています。同社はクラウド移行とハイブリッド運用を重視し、パートナー経由の導入やアプリ市場を通じた機能拡張、顧客向けの導入支援・教育・サポートで利用促進を図っています。
経営方針
同社は成長を持続させつつ収益性の改善を図ることを目指しています。具体的にはクラウドサービスの拡大を成長の主軸に据え、既存のライセンス顧客のクラウド移行を推進することで長期的な定着と定期収益の拡大を狙っています。財務面では現金・現金同等物および有価証券で約20億ドルを保有し、株式買い戻しプログラムとして10億ドルの枠を承認しているほか、業績とバランスをとるために人員再編を実施(グローバル従業員の約4%を対象)し、組織最適化に伴う一時費用として約2,800万ドルの費用を見込んでいます。ただし、成長投資は短期的に費用を押し上げるため、四半期ごとの業績変動は生じやすい点も同社は認識しています。
重点投資分野としては研究開発、営業・マーケティング、内部管理・インフラの強化、及び国際展開が挙げられます。同社は製品差別化のためにセキュリティや可観測性(オブザーバビリティ)にフォーカスした単一セールスモデルへと営業体制を再編し、顧客の導入促進とアップセルを狙っています。顧客支援では導入支援、教育、プレミアムサポートといったカスタマーサクセス機能を拡充し、パートナー網や開発者コミュニティ(例:年次カンファレンスやSplunk Dev)と連携して、製品の付加価値と導入障壁の低減で差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大ではクラウドへの移行を通じた既存顧客の深耕と、新たな業種や地域での採用拡大を目指しています。海外市場への投資とともにグローバルパートナー(SIやマネージドサービス事業者)との協業を強め、オンプレミスとクラウドをまたいだハイブリッド運用を支援することで顧客のデジタル回復力を高める方針です。成長の一手段として過去にTruSTAR(買収額約8210万ドル)、Rigor(約3760万ドル)、Plumbr/Flowmill(合計約3160万ドル)などの買収を行っており、直近でもサイバーレジリエンス関連企業を約2320万ドルで取得するなど、戦略的なM&Aを通じて機能拡充を進めています。
技術革新への取り組みはコアプラットフォームの強化と自動化の推進に集中しています。同社は自社製品の機能拡張やクラウド基盤のスケーラビリティ向上に重点投資し、研究開発費やシステム投資を継続して拡大する方針です。また、データ連携や脅威インテリジェンスを取り込むための外部技術・企業の買収を活用し、取得技術は短期間で製品化することを目指しています。合わせて上場企業としての内部統制や情報システムの強化にも投資を行い、成長とコンプライアンスの両立を図ろうとしています。