SEALED AIR CORPSEE

時価総額
$61.8億
PER
包装資材の最大手。CRYOVACやBUBBLE WRAP、AUTOBAG、LIQUIBOXなどのブランドを展開。2023年にLiquiboxを約11.7億ドルで買収。製品は117か国で流通、46か国で事業展開。

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企業概況
113文字)
業績概況
テーマ
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

SEALED AIR CORPは包装資材と包装機械の設計・製造・販売を行う企業です。主に食品の鮮度保持に使う包装や、輸送時の破損を防ぐ緩衝材、液体用のシステム、梱包の自動化機器などを手掛け、食品や物流の現場での課題解決に注力しています。

主要顧客は大手食品加工業者や流通・物流業者、EC事業者、産業メーカー、医療・ライフサイエンス分野の企業などで、顧客基盤は世界的に広がっています。同社は食品向けは主にエンドユーザーへ直接販売し、保護用製品は代理店網と直接販売を組み合わせて収益を上げることで特定顧客への依存を避けています。

事業は大きくFood(食品向け)とProtective(保護材・自動化向け)の二つの報告セグメントに分かれています。代表的なブランドにはCRYOVAC(食品包装)、LIQUIBOX(液体システム)、BUBBLE WRAPやAUTOBAG(緩衝材・自動梱包機)などがあり、研究開発や持続可能性への投資を通じてリサイクルや自動化の取り組みを進めています。

経営方針

同社は成長戦略として「有利子負債の圧縮と収益性の改善」を両輪に据えています。2024年の連結売上高は54億ドル、継続事業による純利益は2.7億ドル、営業キャッシュフローは7.28億ドルでした。短期ではCTO2Growプログラムによるコスト削減を重視しており、2024年に約8,900万ドルの追加効果を確保、2025年末までに年間1.6億ドルの完全年間化を目標としています。為替の逆風を除けば2025年の売上高はおおむね2024年と横ばいを見込んでおり、食品分野はボリュームの小幅増、保護材分野は下半期から回復する見通しです。

同社は重点投資を「食品(Food)と保護材(Protective)の二事業」に集中させ差別化を図っています。CRYOVACやLIQUIBOX、BUBBLE WRAP、AUTOBAGといったブランドを活用し、賞味期限延長や輸送時のダメージ低減、自動化による省人化といった性能面で差別化しています。具体的施策としては、在庫削減で2024年に5,200万ドルを改善、販売・一般管理費の効率化やサプライチェーン再編を進めることで価格競争下でも利益率を守る方針です。

同社は事業拡大に向けて組織再編やM&Aを戦略的に活用しています。2023年にLiquiboxを買収(最終対価約11.7億ドルと開示)して液体用包装を強化し、地域から機能別(Food/Protective)への再編を完了して各事業が独自の成長戦略を描ける体制にしています。グローバルな販売網は117カ国・地域に及び、2024年の売上の47%は米国外で発生しているため、地域やチャネルごとの需要回復を取り込みながら市場シェア拡大を図ります。資本配分では負債削減を優先しつつ配当(年間0.80ドル/株)や自社株買い枠(10億ドル枠のうち2024年末時点で約5.365億ドル残)による株主還元も継続検討しています。

同社は技術革新を成長のエンジンと位置づけ、研究開発と知財で差をつけようとしています。2024年のR&D支出は9,300万ドルで、食品科学、材料、機械・電気・ソフトウェア開発、印刷や自動包装装置の設計など多岐にわたる技術領域に投資しています。特許・商標のポートフォリオは約2,410件の特許と約2,210件の商標で支えられており、再生可能材料やリサイクル対応の設計、製造工程の自動化とデジタル化を進めることで「循環型経済」に寄与する製品開発を目指しています。一方でAI導入など新技術の効果は慎重に見極める方針で、導入による生産性向上が確実に得られる場面に限定して投資を進めるとしています。