REINSURANCE GROUP OF AMERICA INCRGA

時価総額
$134.7億
PER
生命再保険と金融ソリューションの世界最大手。年金リスク移転やアニュイティなど資産集約型商品の引受を展開。2024年12月31日時点で再保険残高3.9兆ドル、資産1187億ドルを公表。カナダ、アジア太平洋、欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカで展開。

事業内容

REINSURANCE GROUP OF AMERICA INCは、世界の生命・医療保険会社向けに死亡や疾病、長寿などの保険リスクを引き受ける再保険事業と、年金リスク移転や資産連動商品、資本支援を含む金融ソリューションを主力に展開しています。同社は伝統的な生命・医療の再保険に加え、長寿リスクや資産集約型の商品(主に年金や法人保険)や安定価値商品などを扱い、保険会社のリスク移転や資本管理を支援しています。また、事業は大規模で、再保険引受残高は約3.9兆ドル、運用資産は約1187億ドル(2024年末)といった基盤を持っています。

同社の主要顧客は世界の大手生命保険会社で、ビジネスの多くを直接獲得しており、経験ある営業・マーケティング体制で関係維持に努めています。収益は既存契約の更新保険料と新規引受の保険料が基本で、金融ソリューションからの手数料や投資収益も重要な収入源です。2024年は単一一回払いの年金リスク移転を除き、上位5社で約29億ドル(収益の約18%)、さらに40社がそれぞれ年100百万ドル以上をもたらし合計で約48%を占める一方、単一顧客が総収益の10%以上を占めることはありません。

同社は事業を「伝統的再保険」と「金融ソリューション」に分け、前者は個人・団体の生命や医療、障害、重度疾病の再保険を扱い、後者は長寿再保険や年金リスク移転、資本ソリューションなどを提供しています。地域別にも営業を展開し、経済資本モデルに基づいて資本配分や投資配分を行いながら、審査・価格設定・支払管理を厳格に運用してリスク管理と収益性の両立を図っています。

経営方針

同社は持続的な成長と資本効率の向上を目指しています。規模面では2024年12月末時点で資産約1,187億ドル、再保険対象保険料残高は約3.9兆ドルに達しており、伝統的再保険と金融ソリューションの両輪での収益拡大を狙っています。年次報告には明確な売上や利益の成長率目標は示されていませんが、既存契約の管理(in‑force management)、ポートフォリオ最適化、新契約獲得のバランスを取ることを戦略の柱とし、2024年の親会社株主帰属当期純利益は約7.17億ドル、基本1株当たり利益は10.90ドルであることからも安定収益の確保を重視していることが窺えます。

同社は重点投資分野で差別化を図っています。寿命リスク(長寿)、資産集約型商品の再保険、年金移転や資本ソリューションといった金融ソリューションに強みを有し、専門的なアンダーライティングとデータ分析を武器に価格設定とリスク管理で競合優位を築いています。顧客構成は上位5社が約29億ドル(総保険料収入の約18%)を占め、40社以上が各年100百万ドルを超える取引先であることから、大口顧客との深い関係構築が収益安定の源泉になっています。社内では経済資本モデルに基づく資本配分を行い、年金プランの目標資産配分は株式・代替投資75.5%・債券24.5%とリスクを取りながら長期的リターンを追求しています。

新市場開拓や事業拡大について、同社は地域ごとの対応力を高めつつ幅広い国際展開を続けています。カナダ、アジア太平洋、欧州・中東・アフリカ、ラテンアメリカなどに拠点を持ち、2023年時点で世界最大級の生命・医療再保険事業者とみなされる規模を背景に、現地の保険会社との連携や第三者パートナーとの協業、既存ブロックの買収による事業拡大を進めています。買収資金については余剰資本の状況や格付け、必要に応じて長期債や優先株、普通株の発行を検討する柔軟性を保っており、規制当局の承認手続きや統合リスクにも注意を払う方針です。

同社は技術革新を経営の重要な柱と位置づけています。引受精度向上や市場開拓のためにデータ分析やデジタル化に投資し、社内向けのソフトウエア投資は2024年時点で約1.25億ドルの未償却残高があるほか、サービス・技術系の買収により知見と機能を取り込んでいます。サイバーセキュリティやシステムの可用性を重視し、流動性や資本に関するストレスシナリオを用いたリスクモデリングも日常的に実施しており、同社はこれらの技術的投資を通じて引受・価格設定・請求対応の効率化と差別化を図ることを目指しています。