- 米国企業
- Philip Morris International Inc.
Philip Morris International Inc.PM
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (198文字)
- 業績概況
- (141文字)
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (10項目)
- ライバル企業
- (5社)
- 同業種の日本企業
- (1社)
事業内容
Philip Morris International Inc.は国際的なたばこ企業で、従来の紙巻たばこに加えて「スモークフリー」製品の開発と販売を主力としています。同社は加熱式たばこ、口腔用のニコチン製品(ニコチンパウチやスヌース)やそれらに対応する電子デバイスを中心に製品群を拡大し、長期的に紙巻たばこの販売停止を目指しています。
同社は約170の市場で展開し、小売店や地域・全国の卸売業者、独立ディストリビューターを通じて販売しています。収益は依然として紙巻たばこが大きな比重を占めますが、スモークフリー製品の売上比率が上昇しており、一部のディストリビューター向け販売が全体の収益の大きな割合を占めることもあります。
事業は地域ごとのセグメントを基盤に運営し、主要な製品ラインは紙巻たばこ、加熱式たばこ(加熱用スティック等)、口腔用ニコチン製品、そしてこれら向けのデバイスや消耗品に分かれています。同社は研究開発と製造設備に投資して各製品ラインを強化し、市場でのシェア拡大を図っています。また、医療・ウェルネス分野でのカンナビノイドなど非嗜好性製品の研究も進めています。
経営方針
同社は「スモークフリー(煙のない)への移行」を中核に据えた成長戦略を進めており、たばこ以外の領域も含めて長期的なポートフォリオ転換を目指しています。具体的には、2008年以降にSFP(煙の出ない製品)開発へ累計で140億ドル超を投資し、たばこの販売を段階的に終わらせることを目標に掲げています。業績面では2024年の連結売上高が約378億ドル(前年から7.7%増)となり、通貨や買収の影響を除くと約10.1%の増収を達成しており、価格改定とSFPの量的拡大が収益成長の主要因になっています。
重点投資分野は研究開発と科学的裏付け、ならびに製造・供給体制の強化です。同社は前臨床、臨床、行動研究、事後調査といった評価能力を世界水準で整備し、製品の安全性・効果に関する科学的根拠を差別化要因としています。製造面では世界に51の生産拠点を持ち、加熱式たばこ用工場が9拠点、経口ニコチン製品用が7拠点あるなどSFP生産能力を拡充しています。また、2022年のSwedish Match買収(買収対価は約144.6億ドル)によりZYNなどの経口ニコチン事業を取り込み、IQOSと組み合わせたグローバルなスモークフリーポートフォリオを形成しました。
新市場の開拓と事業拡大は多面的に進められています。同社は約170市場で事業を展開し、約100市場で市場シェアが15%以上に達しており、地域別の販売戦略や独自の流通モデル(直販、流通業者、電子商取引や自社小売など)を併用して拡大を図っています。M&Aや戦略的提携も成長の重要手段であり、Swedish Matchの統合や一部の追加買収を通じてブランドとチャネルを拡大するとともに、SFPの普及を通じてたばこ依存からの移行を促す取り組みを強めています。
技術革新への取り組みは同社の差別化の核で、これまでに科学的・規制面での承認取得にも注力しています。例えば米国食品医薬品局(FDA)による一部IQOS製品やZYN、Generalスヌースの販売許可やリスク修飾表示の承認取得は、製品の規制対応力と科学的裏付けの成果です。社内外の製造パートナーと連携したデバイス開発や、ニコチンポーチ技術の特許化、サプライチェーン管理、さらにはサイバーセキュリティ対策やデータ保護への投資も行い、製品開発から市場導入までの能力を体系的に高めています。