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- MICROALLIANCE GROUP INC.
MICROALLIANCE GROUP INC.MALG
事業内容
MICROALLIANCE GROUP INC.は米国の持株会社で、事業は中国の子会社を通じて展開している。同社は主にコーヒー製品と酒類の企画・製造・販売を行い、特に中国の黒茶の風味を取り入れた旗艦の「coffee tea」や黒コーヒー、独自開発の「コーヒースピリット」や高級白酒などを取り扱っている。
同社はコーヒーを小売パートナーや法人向けに卸売し、同時に中国国内の自社の電子商取引サイトで消費者に直販して収益を得ている。酒類は販売代理店や卸売業者、フランチャイズ店舗を通じて全国に流通させており、現状では酒類の売上高がコーヒーを上回っている。
同社は事業をコーヒー部門と酒類部門に分けている。コーヒー部門では雲南省のアラビカ豆を調達し、自社工場で焙煎・加工して商品化するとともに、味の改良や新商品開発を担う研究開発チームを持つ。酒類部門では、ソルガム(高粱)とコーヒー豆を混ぜて発酵させる独自の「コーヒースピリット」や熟成価値のある白酒を中心に、直営やフランチャイズの「乃娘」店舗と外部委託生産を組み合わせて販売網を構築している。
同社の強みは自社で原料調達から加工まで管理できる生産基盤と独自商品、そして経験のある経営陣と販売管理の仕組みにある。ただし事業は中国市場と限られた商品カテゴリに集中しており、消費者嗜好の変化やパンデミック、監査・規制に関する動向などが業績に影響を与えるリスクがある。
経営方針
Microalliance Group Inc.は、コーヒーと酒類の二本柱で事業拡大を図っており、ブランド化と販売チャネルの拡大を通じて売上成長を実現することを目指しています。直近の通期(2021年)売上高は約3,739万米ドル、当期純利益は約1,868万米ドルを計上しており、運転資本は約2,765万米ドルの余裕があることから、既存事業の拡大に必要な資金力を一定程度確保しています。同社はフランチャイズ展開と直営・卸売・ネット販売の組み合わせで顧客接点を増やし、収益規模の拡大を目指しています。
同社は生産設備と商品開発に重点投資することで差別化を図っています。具体的には、雲南省の広大な生産地(約50万ムー相当)から入手するアラビカ豆を自社工場で焙煎・加工する垂直統合体制を持ち、2018年に設立した加工拠点で品質管理を徹底しています。また、独自の「コーヒーティー」や、ソルガムとコーヒー豆を混合して醸造する独自商品「コーヒースピリット」といった差別化商品を有し、酒類では長期保管により価値が増すビンテージ白酒の在庫を保持している点を強みとしています。研究開発チームや店舗向け研修、テイスティング等のマーケティング施策も実行しています。
新市場開拓と事業拡大では、直近で酒類事業の補強を目的に深圳乃娘酒業(Nainiang Liquor)を取得し、全国の販売網と店舗展開を強化しています。既に北京、上海、深圳、廈門、重慶、成都、昆明、佛山など12都市以上にライセンス店舗を出店しており、今後はフランチャイズの拡大と直営店の追加、卸売先と企業顧客への販売拡充、ネット販売チャネルの強化を通じて市場シェアを広げる計画です。新型コロナの影響を見極めつつ出店・加盟店支援の計画を調整していく方針です。
技術革新では、同社は業務標準化と迅速な受注処理を目的に中央集約型の情報システムを導入し、販売データの分析に基づく品揃え改善や価格調整を行うことで顧客獲得効率の向上を図っています。商品開発面では少人数ながら専任のR&Dチーム(報告時点で2名)を配置し、消費者嗜好の変化を反映した新商品を定期的に投入する体制を整えています。同社はこれらの取り組みにより、独自商品と安定した供給網を武器に差別化された成長を目指しています。