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事業内容
Kohl’s Corporation(以下、同社)は米国で大型の百貨型小売チェーンを展開しており、婦人服・紳士服・子供服、靴、家庭用品、化粧品や小物などの日常消費財を実店舗とオンラインで販売している。主力は国内外のナショナルブランドと同社のプライベートブランドを組み合わせた品揃えで、幅広い価格帯と季節商品を取り扱っている。
主要な顧客は価格に敏感な一般消費者や家族層で、売上は店舗販売とオンライン販売の双方から生じている。売上はバックトゥスクールや年末商戦など季節に左右されやすく、会員プログラムや提携クレジット、ギフト券といった施策で顧客のリピートを促している。
事業は商品カテゴリ別の陳列と販売チャネルで構成され、婦人向けや家庭向けなど複数の製品ラインを通じて収益を得ている。調達は多くの国内外サプライヤーと行い、同社は多数の商標を保有して自社ブランド商品で差別化を図っている。
経営方針
同社は長期的な株主価値の最大化と持続的な収益成長を目指しています。資本配分の優先順位として「事業への投資→四半期配当→債務削減→余剰資金の自己株買い」を掲げ、2024会計年度はGAAP純利益109百万ドル、非GAAP調整後純利益167百万ドル、調整後希薄化1株当たり利益1.50ドルを報告しました。流動性確保のため2023年1月に15億ドルの担保付リボルビング信用枠を設定していますが、S&Pやムーディーズによる格下げで借入コストが上昇しており、同社はコスト管理とバランスシート健全化を重要課題としています。
同社は商品力と価値訴求を差別化の中核に置き、プライベートブランドの強化や有力ナショナルブランドとの併売、顧客ロイヤルティ施策によって競争優位を築こうとしています。具体的な施策としては、採算性の低い店舗27店と一部物流拠点(サンバーナーディーノのEコマースセンター)を閉鎖し、76百万ドルの減損費用を計上して事業構造をスリム化しました。また仕入れ・在庫管理の改善に資本を投じ、品切れや過剰在庫を抑えて売上と粗利の改善を狙っています。
同社はネット販売と既存店舗の連携による販路拡大を進めており、外部パートナーとの協業も事業拡大の手段としています。過去のAmazonとの商取引契約などを念頭に、実店舗とオンラインをつなぐオムニチャネルを通じて顧客接点を広げる計画です。経営トップの刷新(2025年1月にJ. Ashley Buchanan就任)により、商品企画やチャネル戦略の見直しを進め、新たな販売フォーマットや提携の検討を加速させる方針です。
技術革新と情報管理にも力を入れており、同社は情報セキュリティをNISTやISO、PCIの考え方を参照して構築するとともに、IT統制やデータ品質の強化を図っています。棚卸資産は約29億ドルを抱えており(小売在庫法による評価)、正確な在庫管理のために基幹システムやデータ連携の投資を優先しています。加えて、サイトの安定稼働や配送コストの最適化、顧客ごとの購買傾向を生かした個別化施策に投資し、デジタルと店舗双方の体験を改善することで競争力を高めようとしています。