中央経済社ホールディングスJP:9476

時価総額
¥35.5億
PER
24.8倍
出版事業の有力企業。経営・経済・法務・会計・税務向けの専門書籍と「企業会計」「税務弘報」「旬刊経理情報」「ビジネス法務」等の定期刊行物を展開。2020年8月に雑誌「会計人コース」紙版を休刊し電子版「会計人コースWeb」へ移行。国内中心で出版付帯の広告制作事業を含む子会社4社体制。

事業内容

中央経済社ホールディングスは、企業経営や会計・税務・法務・情報技術などを中心とした書籍や専門誌の企画・編集・販売を主力とする出版グループです。同社は出版に関連する編集制作に加え、雑誌掲載の広告請負や企業広報誌・パンフレットの制作といった付帯事業も手がけています。

主要な顧客は公認会計士・税理士・企業の経理・法務担当者、大学や資格試験の受験者といった専門家や教育市場で、法人向けの購読や単行本販売が中心です。収益は書籍・雑誌の販売と定期購読、電子版の提供に加え、広告代理業務や制作受託による手数料収入が柱になっています。

事業は出版事業と出版付帯事業の単一セグメントで展開しており、雑誌では「企業会計」「税務弘報」「旬刊経理情報」「ビジネス法務」の4誌を中核に据えています。グループ内では同社が企画・編集を担い、制作・販売や編集制作を専門とする子会社、広告宣伝やカタログ制作を行う子会社が役割分担して事業を支えています。

経営方針

中央経済社ホールディングスの成長戦略の概要として、同社は安定した経営基盤の維持と一株当たり純資産価額の増大を重視しています。創業1948年のブランドとノウハウを基盤に、良質で寿命の長い専門書の刊行を通じて企業価値を高めることを目指しており、持株会社体制に移行した2016年以降は企画・編集と制作・販売を明確に分ける体制で効率化を進めています。出版市場の長期縮小や流通環境の変化を踏まえ、直近の判断基準は連結会計年度末(2025年9月30日)時点の視点を反映した中長期的な安定成長です。

重点投資分野と差別化戦略としては、人材確保・育成に投資し、企画力とマーケティング力を高めることを重視しています。具体的には公認会計士・税理士や企業の経理・法務担当者、受験生といった専門読者に向けた高専門性の書籍や定期刊行物を強化し、雑誌「企業会計」「税務弘報」「旬刊経理情報」「ビジネス法務」といった中核媒体を核に差別化を図ります。また既刊本の販売強化や配本の適正化を進め、書店からの返品を減らすことで在庫リスクとコスト上昇に対処する方針です。

新市場開拓や事業拡大の計画では、電子版や法人向け購読、制作受託や広告代理業務といった付帯事業の比重を高めることにより収益源を多様化します。同社は雑誌・書籍の販売に加え、企業広報誌やパンフレット制作の受託による手数料収入を成長の柱と位置づけ、教育機関や法人向けの定期購読契約や研修教材の提供などで新たな顧客接点を拡大していくことを目指しています。

技術革新への取り組みでは、コンテンツのデジタル化を推進すると明言しており、電子化による流通効率化とデータに基づく企画立案を進めます。出版制作の工程改善やデジタルプラットフォームの活用で制作コストと物流コストの上昇に対応し、販売データを活用したマーケティングで読者ニーズを的確に捉えることで、専門性の高いコンテンツを長く売り続けられる体制を築くことを目指しています。