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伏木海陸運送JP:9361
事業内容
伏木海陸運送は、富山県の伏木・富山新港を拠点に港湾と陸上を一体化した物流サービスを展開しています。主力は本船の積卸やコンテナターミナル運営、通関・内航・鉄道貨物の取扱、トラック輸送や倉庫での保管・入出庫といった海陸一貫の荷役・輸送業務です。
主要顧客は輸出入を行う商社・メーカー、建設やエネルギー関連企業、流通業者などで、同社の港湾作業や輸送・倉庫手数料が収益の柱になっています。加えて不動産賃貸やホテル・観光、繊維製品の製造販売など子会社の事業が安定的な補完収入を生み出しています。
事業は大きく港運事業、不動産事業、繊維製品製造、その他に分類されます。港運では曳船や木材荷役、油類のローリー輸送やバラセメント輸送、貨車入換や港湾経由のトラック配送などを同社グループで担い、ほかに商業ビル・駐車場賃貸、木造住宅・リフォーム、ホテル・ゴルフ場運営、保険代理店、旅行業、船舶修繕・防災関連といった多様なサービスラインを持っています。
経営方針
伏木海陸運送は、伏木港・富山新港という地理的優位性を生かし、海陸一貫の総合物流事業を通じて継続的な成長と収益向上を目指しています。現時点で具体的な数値目標は開示されていませんが、取扱貨物と航路の拡充、物流インフラの整備を重点課題に掲げ、コスト削減とサービス充実による収益性改善を図る方針です。同社は地域の交易拠点として対岸諸国との物的・人的交流を促進し、主要顧客である商社・メーカーや建設・エネルギー業界の需要を取り込むことで成長を狙っています。
同社は重点投資分野として港湾・ターミナル設備と倉庫機能の強化を挙げています。岸壁やコンテナヤードの整備、荷役機械の更新、倉庫の入出庫管理の高度化など具体的な設備投資を進めることで、作業効率と付加価値を高めようとしています。差別化は海上荷役から内航・鉄道・トラック輸送、通関・保管までを一貫提供できる点にあり、グループ内での曳船や貨車入換、ローリー輸送といった業務を組み合わせることでワンストップの利便性を打ち出しています。不動産賃貸やホテル、繊維製品といった子会社事業は安定収入としてリスク分散に寄与しています。
同社は新市場開拓や事業拡大として、環日本海経済圏を視野に入れた航路・貨種の拡大を進めています。具体的には伏木富山港での取扱貨物の多様化や新規航路の誘致、国内ではトラック一辺倒を是正するため鉄道・内航輸送へのモーダルシフトを推進し、長距離ドライバー不足への対応と輸送効率の改善を図っています。また、次世代人材の育成と技能継承を重視し、現場の安全徹底とコンプライアンス強化を通じて事業基盤の拡大を目指しています。
技術革新について同社は、業務のデジタル化と環境負荷低減を両輪に取り組んでいます。倉庫やターミナルでの在庫可視化や稼働センサーの導入、入出庫の自動化・省力化、車両の燃費管理など実務に直結するシステム投資を進めています。さらに「みなとSDGsパートナー」として岸壁や機械の省エネ改修や低排出車両の導入といった環境対策にも取り組んでおり、同社は技術と環境配慮を通じて競争力と持続可能性を高めることを目指しています。