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ココルポートJP:9346
事業内容
ココルポートは、障害福祉分野で就労支援と生活訓練を手がける企業です。主力サービスは就労移行支援、就労定着支援、指定計画相談支援に加え、自立訓練(Cocorport College)やリワーク(Cocorport Rework)で、就職から職場定着まで一貫して支援しています。首都圏を中心に多数の事業所を展開し、累計の就職者数や高い定着率など実績を積み上げています。
同社の主要な顧客は障害のある利用者とその家族、行政や医療・支援機関で、紹介や公的な受給制度を通じて利用が始まります。収益構造は公的制度に基づく報酬と利用者負担が中心で、行政からの支払いや利用者に対するサービス提供ごとに対価を得るビジネスモデルです。
同社の事業は単一の障害福祉サービス領域に集約されており、個別支援を重視した複数の製品ラインで構成されています。就労移行支援では利用者ごとに600種以上のプログラムを用意し、Cocorport Collegeは生活力や社会性の向上に、Reworkは休職者の復職支援に特化しており、入社後の初期定着支援や行政・企業との連携で成果を出しています。
経営方針
同社は売上高と経常利益の持続的な成長を目指しています。その達成状況を判断するため、事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)を重要な経営指標に位置付けており、これらの改善が売上や報酬単価の向上につながると考えています。市場環境は追い風であり、日本の障害者数は約1,152.8万人、法定雇用率は2024年4月に2.5%に引き上げられ、さらに2026年7月には2.7%に引き上げられる予定であるため、障害者雇用の拡大に伴うサービス需要の伸びを見込んでいます。
同社は個別支援を差別化の中核に据え、就労移行支援では利用者ごとに600種以上のプログラムを用意するなど「一人ひとりに適した支援」を徹底しています。重点的に投資しているのは人材の採用・育成で、研修の充実や行動指針の浸透に経営資源を割き、サービスの品質維持・向上を図っています。加えて就労定着支援では、就職後の定着を高めるため面談を月1回以上必須化するなど具体的施策を講じ、就職者数や定着率の改善を通じて報酬単価の向上を狙っています。
同社は事業の裾野拡大とシナジー創出を重視しており、ドミナント展開により地域ごとに事業基盤を強化する方針です。自立訓練サービス「Cocorport College」は2020年4月に開始し、非就労フェーズ(週2日程度の通所で職業準備性が低い方)も受け入れることで将来的な就労移行につなげています。さらに2024年4月には休職者向けのリワーク「Cocorport Rework」を開始し、引きこもりや休職といった社会課題に対する取り組みから利用者を自社サービスへ導くことで利用者数と事業所数の拡大を目指しています。
同社は技術や組織面の整備でサービスの安定化と効率化を図ろうとしています。各事業所で均質なサービスを提供するために研修や行動指針の浸透を進めるとともに、利用者データやKPIを活用した運営管理の強化に取り組んでいます。ガバナンス面では社外取締役の活用や内部監査の強化を通じて法令遵守と透明性を高め、営業キャッシュ・フローを重視した自己資金と内部留保のバランスで新規事業所開設などの投資を継続していく方針です。