ヤマシタヘルスケアホールディングスJP:9265

時価総額
¥83億
PER
22.6倍
持株会社として傘下グループの経営管理と医療機器販売業の有力企業。特許取得の髄内固定システム「アレクサネイル」や電子カルテ等の医療情報システムを展開。連結子会社9社とSPDセンター2拠点の運営。広島県福山市を含む全国展開。

事業内容

ヤマシタヘルスケアホールディングスは持株会社として傘下のグループ会社の経営管理を行い、医療機器の販売とそれに付随するサービスを中核事業としています。同社は医療機器の仕入れ・販売に加え、医療機器の製造販売や医療関連施設の賃貸・運営も手掛けています。

主要な顧客は病院や診療所、検査機関などの医療機関で、医療機器の売上が収益の中心です。同社はメーカーから仕入れた機器を販売すると同時に、保守・メンテナンス、IT導入支援、物品管理のアウトソーシング(SPD)やコンサルティングなどのサービス収入を得ています。加えて自社開発品の製造販売や医療モールの賃貸収入も収益源になっています。

事業は主に「医療機器販売業」「医療機器製造・販売業」「医療モール事業」の3領域で構成されています。販売は一般機器、一般消耗品、低侵襲治療、専門分野、情報・サービスの5分野に分かれ、画像診断装置や内視鏡、各種手術機器から消耗品、医療情報システムやメンテナンスまで幅広く扱っています。製造では整形外科向けインプラントなど自社商品を持ち、医療モール事業では施設の賃貸・管理を行っています。

経営方針

同社は2025年5月期を初年度とする3年間の中期経営計画で「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を掲げており、最終年度となる2027年5月期の目標を連結売上高730億円、連結営業利益9.5億円、営業利益率1.3%以上、連結経常利益10億円と定めています。さらにPBR1倍以上、ROE10%以上、配当性向30%以上を目安に企業価値向上を図る計画で、成長投資と株主還元の両立を目指しています。

同社は人的資本と物流・情報基盤を重点投資分野と位置づけています。具体策として事業会社9社を含むグループ10社の人材情報を統合的に管理し、採用から育成まで一貫した人事体制を構築するとしています。また物流センターのリニューアルや新物流センター構想で供給力を強化するとともに、保守・メンテナンスや医療現場向けの業務アウトソーシング、医療情報システム導入支援など販売に付随するサービスを拡充して差別化を図っています。

同社は事業領域の拡充と新市場開拓をM&Aや外部提携で加速させる方針です。将来性のある新規商材として輸液装置のレンタルや注射調剤・監査支援システム、自社開発の超音波診断装置などの早期市場浸透を図り、医療機関向けの低侵襲治療や画像診断機器、医療モールの賃貸収入を含めた収益の多角化を進めます。一方で賃金のベースアップや物流・研究開発費の計上により短期的には利益が圧迫される見込みであるため、生産性向上や業務のデジタル化でコスト制御を進める計画です。

同社は技術革新を成長の柱と位置づけ、研究開発投資を継続しています。グループ内の開発体制で超音波画像診断装置「ブレストスキャン」などの製品化を進めるとともに、業務プロセスのデジタル化や情報セキュリティ強化を推進して従業員が付加価値の高い業務に専念できる環境を整えます。加えて地域社会への安定供給や事業継続(BCM)を重視するESG経営を実践し、長期的な競争力と信頼の確保を目指しています。