パスコJP:9232

時価総額
¥294.1億
PER
7.9倍
空間情報サービス事業を展開、航空写真撮影、地図整備、エリアマーケティング、ロジスティクス支援、災害・環境モニタリング等を手がける。

沿革

1953年10月

パシフィック航空測量株式会社として創業

1960年6月

航空機使用事業免許取得

1962年12月

東京証券取引所市場第二部に上場

1974年2月

東京証券取引所市場第一部に上場

1981年10月

米国のESRI社の地理情報システム(GIS)基本ソフトの販売開始

1983年10月

商号を「株式会社パスコ」に変更

1985年7月

株式会社GIS北海道(設立時社名・㈱北海道測技)を設立(現・連結子会社)

1986年11月

株式会社GIS関東(設立時社名・㈱大宮測技)を設立(現・連結子会社)

1989年2月

米国のERDAS社(現 Hexagon Geospatial社)のGIS関連ソフトの販売開始

1989年6月

フィリピン共和国にPASCO Philippines Corporation(設立時社名・PASCO-CERTEZA COMPUTER MAPPING Corp.)を設立(現・連結子会社)

1992年2月

国立野辺山天文台の電波ヘリオグラフアンテナの精密測量実施

1997年3月

山梨県リニアモーターカー実験線のGPS基準点測量、精密測量を実施

1998年7月

全庁型GISパッケージソフト「PasCAL」リリース

1999年7月

「品質マネジメントシステム(QMS):ISO 9001[JISQ 9001]」の認証取得

1999年8月

セコムグループ入り・無償減資および第三者割当増資(引受先 セコム株式会社)

2000年8月

航空写真測量のフルデジタル化技術の導入

2002年3月

三次元デジタル都市モデル「MAPCUBE」サービス開始

2002年12月

「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS):ISO/IEC 27001[JISQ 27001]」の認証取得

2003年2月

「環境マネジメントシステム(EMS):ISO 14001[JISQ 14001]」の認証取得

2003年6月

海外事業の生産力強化のため、タイ王国の測量会社PASCO (Thailand) Co., Ltd.(通称パスコ・タイ)の株式取得(現・連結子会社)

2003年8月

配送計画支援システム「LogiSTAR」販売開始

2003年11月

エリアマーケティング「MarketPlanner」サービス開始

2004年4月

デジタル画像自動処理システムの稼動開始

2005年2月

ドイツ連邦共和国のInfoterra GmbH(現・Airbus Defence and Space GmbH)と衛星利用に関するパートナー契約を締結

2005年9月

「帰宅支援マップサービス」開始

2005年11月

「プライバシーマーク[個人情報保護マネジメントシステム(PMS)]:[JISQ 15001]」の認定取得

2006年12月

インドネシア共和国のPT. Nusantara Secom InfoTech(通称パスコ・インドネシア)の株式取得(現・連結子会社)

2007年11月

人工衛星データ受信局(沖縄地球局)を設置

2007年12月

ドイツ連邦共和国Infoterra GmbH(現・Airbus Defence and Space GmbH)の合成開口レーダ(SAR)衛星「TerraSAR-X」の運用とサービスを開始

2010年8月

MMS(モービル・マッピング・システム)高精度情報センター開設

2010年12月

東日本総合計画株式会社(取得時社名・東武計画㈱)の株式取得(現・連結子会社)

2011年10月

GIS(地理情報システム)クラウドサービス「PasCAL for LGWAN」の提供を開始

2011年11月

フランス共和国のSpot Image S.A.,(現・Airbus DS Geo S.A.)と超高解像度光学衛星「Pleiades(プレアデス)」のダイレクトアクセスサービス契約を締結(販売権の取得)

2014年6月

災害リスク情報サービス「DR-Info」提供開始

2014年11月

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)データ等の配布開始

2014年12月

フランス共和国のAirbus DS Geo S.A.と衛星画像等の日本国内における総代理店契約を締結

株式会社サテライトイメージマーケティング(取得時社名・東京スポットイマージュ㈱)の株式取得(現・連結子会社)

2016年7月

「国土強靭化貢献団体」としてレジリエンス認証取得

2016年8月

「アセットマネジメントシステム(AMS):ISO 55001[JISQ 55001]」の認証取得

2017年10月

「ITサービスマネジメントシステム(ITSMS):ISO/IEC 20000-1[JISQ 20000-1]」の認証取得

2017年11月

「クラウドセキュリティ(ISMS-CLS):ISO/IEC 27017[JISQ 27017]」の認証取得

2018年5月

「パスコグループ中期経営計画 2018-2022」を策定

2018年7月

株式会社日立システムズとの協業により、ドローンによる3次元測量の支援サービスを開始

2018年9月

配送計画からナビゲーションまでをワンストップで提供するため、株式会社ナビタイムジャパンと業務提携

2018年12月

平成30年度大規模自然災害等の被災地域支援活動に対し、環境大臣賞を受賞

2019年2月

公共事業における測量・調査・計画から、用地の確保、土地所有者の調査や補償コンサルタント等の業務をワンストップで提供するため、東電用地株式会社と業務提携

2019年3月

衛星地上局の共同利用と衛星データ利活用分野の新事業創出を目指し、宇宙関連事業でスカパーJSAT株式会社と業務提携

2019年4月

水陸同時計測できるドローン搭載型グリーンレーザースキャナの販売開始

2019年7月

高精細な3次元データで森林を細部まで把握し、森林の適切な管理を支援するため、最新の航空機搭載型レーザー計測機(Terrain Mapper)を日本初導入

2019年10月

超小型人工衛星を利用した北極域観測技術の構築に向けて、北海道大学、東北大学および国立台湾海洋大学と共同開発した海洋観測カメラによる有色溶存有機物の観測に成功

2019年12月

インドネシア共和国における農地管理の高度化を目指し、インドネシア航空宇宙研究所(LAPAN)と地球観測衛星データの活用に関する実証実験を開始

2020年1月

「スマート農業」普及のため、東京農業大学および東京情報大学と包括連携協定を締結

配送計画からバース予約までをワンストップで提供するため、株式会社モノフルと業務提携

2020年3月

応用地質株式会社と協業に向けた覚書を締結し、リスク情報プラットフォーム構築の検討を開始

空間情報事業分野におけるAI(人工知能)人材の育成に特化した独自の教育プログラムを東京大学EdTech連携研究機構と共同で開発

九州大学と連携した「G空間情報技術を活用した地域防災システム」の研究と社会実装の成果が評価され、内閣府の「第4回宇宙開発利用大賞 環境大臣賞」を受賞

2020年6月

AIで解析する「衛星を活用した森林変化情報サービス」を開始

2020年9月

長年にわたる開発途上国など海外の国土開発への協力に対し、小沢海外功労賞を受賞

地域のバイオマス資源循環と経済循環を生み出す「夢プロジェクトさくま」に参画

2020年11月

米スカイライン・ソフトウェア・システムズ社と戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結

道路計測車両システム「Real Dimension(リアルディメンション)」の運用を開始

2020年12月

国土交通省が全国約50都市で取り組む「まちづくりの DX」事業に参画

2021年3月

 2019年度、2020年度大規模自然災害等の被災地域支援活動に対し、環境大臣賞を受賞

2021年4月

三菱電機株式会社はじめ衛星データを取り扱う6社共同で「衛星データサービス企画株式会社」の設立に合意

2021年5月

東京都目黒区下目黒に本店を移転

2021年7月

セコムグループの一員として「SBT」認定を取得、「RE100」に加盟

2021年8月

セコム株式会社と自律飛行ドローンを活用した公共インフラ巡回監視の実証実験に着手

2021年10月

米Vexcel Imaging社(ベクセル社)と日本国内における航空写真データの整備に関する契約を締結

2021年11月

不動産ソリューション「LandManager Realestate(LMR)売買版」のサービスを開始

業界の垣根を越えた13社共同で「防災コンソーシアム(CORE)」を発足

2021年12月

港湾 DX と洋上風力発電の調査・計画を支援するため海洋における空間情報の計測体制を強化

2022年2月

株式会社奥村組・株式会社ビーイング3社共同で「5次元施工シミュレーションシステム」を開発

2022年3月

地理空間情報の世界的なコミュニティGeoawesomenessから「世界の地理空間関連企業トップ100 社」に選出

2022年4月

東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」に移行

2022年5月

米スカイライン・ソフトウェア・システムズ社と販売代理店契約を締結

世界で評価されている3次元ビジュアライゼーションソフトウェアの販売を開始

2022年6月

次世代のTMS「LogiSTAR Geospatial LINKS」のサービスを開始

2022年7月

データ処理能力向上と事業継続リスク低減に向けて新潟市に空間情報処理センターを開設

パスコと管総研が上水道管路管理で協業に向け基本合意

2022年8月

森林内での現地調査ツール「SmartSOKURYO POLE」のサービス提供を開始

2022年9月

防犯カメラ等の映像から浸水状況を即時把握するAI解析モデルを開発

2022年11月

経済産業省が選定する「DX認定事業者」に認定

2023年3月

首里城公園で管理運営のDX化を目指した実証実験に参加

国土交通省から「インフラDX 大賞」を受賞

IoTインフラ遠隔監視サービス「Infra Eye」の販売を開始

事業内容

パスコは、セコム株式会社の子会社であり、空間情報サービス事業を核としています。この事業は、地理空間情報の収集、加工・処理・解析、そしてICT技術を駆使した高品質な情報サービスの提供を行うものです。パスコの事業は大きく「国内部門」と「海外部門」に分けられます。

国内部門では、主に国や地方自治体を顧客としています。このセグメントでは、航空写真撮影や地図整備をはじめ、自治体行政事務の効率化や住民サービスの向上を目指したソリューションの提供が行われています。また、自治体の財政健全化や地方創生を支援する取り組み、さらには人工衛星や航空機による撮影データを利用した災害・環境モニタリングサービスも提供しています。

一方、国内民間部門では、流通業、製造業、金融業など多岐にわたる業界の企業が顧客です。パスコは、企業経営を支援する商圏分析やエリアマーケティング、配送計画や移動体管理のロジスティクス分野向けサービスを提供しています。また、災害時の初動対応や事業継続計画(BCP)策定の支援サービスも手がけています。

海外部門では、主に開発途上国や新興国を対象に、国土基盤図の整備や社会インフラ整備に必要な地図整備、コンサルティングサービスを提供しています。これにより、パスコはグローバルな視点で空間情報サービスの提供を行っているのです。

パスコ及びその関連会社は、これらの事業を通じて、地理空間情報の価値を最大化し、社会のさまざまな課題解決に貢献しています。

経営方針

パスコは、空間情報サービス事業を核に、国内外で多岐にわたるサービスを提供している企業です。同社は、「常に世界一の空間情報事業者であるために、革新的な思考と行動により、常に変化を創造し行動する」という経営方針のもと、品質、環境、情報管理、労働安全衛生、人材育成の各方針を軸に事業を展開しています。経営理念には、安心で豊かな社会システムの構築への貢献、社会的公正性の追求、および最高レベルの空間情報の提供を掲げています。

中長期的な経営戦略として、パスコは「地球をはかり、未来を創る~人と自然の共生にむけて~」というビジョンを掲げています。このビジョンの下、測量・計測技術を基盤とし、自動化、超空間、未来予測などの最先端研究・開発を強化しています。また、ステークホルダーとの連携を深め、価値ある空間情報サービスの提供を通じて社会に貢献することを目指しています。

サステナビリティへの取り組みも同社の重要な経営課題の一つです。2022年6月には、サステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ経営に関する基本方針の策定や重要課題の設定・開示などを行っています。環境、社会、企業統治(ESG)に配慮した経営を通じて、国際的な持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指しています。

パスコは、これらの戦略と取り組みを通じて、空間情報事業のイノベーションを実現し、持続可能な社会の構築に貢献していく方針です。