- 日本企業
- ギックス
ギックスJP:9219
事業内容
ギックスは、戦略コンサルティングと高度なデータ分析を組み合わせ、企業の経営課題や競争力強化を支援するプロフェッショナルサービス集団です。データを判断の材料として活用する「データインフォームド」の思想に基づき、情報整備(INPUT)→分析(ANALYTICS)→施策実行(ACTION)のサイクルを一気通貫で伴走しています。
同社の主要顧客は、エンドユーザー理解を深めて事業成長を図る企業の経営・マーケティング部門で、小売や通信、サービス業など幅広い業種に対応しています。収益はプロジェクト型のコンサルティング報酬に加え、自社プロダクトの利用料やシステム構築・保守の受託収入、販売パートナーや協業パートナーとの連携による収入で構成しています。
事業は大きく「Business Innovation」と「System Innovation」の二領域に分かれています。Business Innovationでは顧客理解に基づく事業戦略作成や「ゾクセイ」を軸としたマーケティング、マーケティングツールMygruなどを用いた現場の業務変革を行い、System InnovationではAdaptable Data System(ADS)を用いたデータ基盤構築やレガシー刷新、既存システムとの連携による即時性あるデータ蓄積・分析環境の整備を進めています。
経営方針
同社は売上高の成長と利益の安定化を両立させることを成長戦略の中核に据えています。具体的には営業利益を起点にしたKPIツリーを整備し、単体売上高、単体コア営業利益率、子会社売上高の3指標を開示して進捗を可視化します。市場環境としては国内のビッグデータ/アナリティクス市場が年平均14.3%で拡大し、2027年に約3兆541億円に達すると見込まれており、同社はこの成長トレンドを取り込みながら、長期契約や自社プロダクトの定着で収益の継続性を高め、コスト管理を徹底して利益ボラティリティの抑制を目指しています。
同社は「情報整備→分析→施策実行」を一気通貫で提供する点を差別化の源泉としています。事業は顧客理解に基づく戦略や現場の業務変革を担う領域と、データ基盤の構築や既存システム刷新を担う領域に分かれており、自社プロダクト(例:現場向けツールやデータ基盤)や独自アルゴリズム、特許技術を通じて高い品質と価格競争力を打ち出しています。同社はこうした強みを活かし、深耕型の長期取引や少数精鋭の人材育成、販売パートナーとの連携強化により契約件数と継続収入の拡大を目指しています。
同社は新市場や事業領域の拡大に向け、資本業務提携や共同プロジェクト、人材交流といった協業を積極的に活用しています。既存顧客での深耕に加え、展示会出展や新たなマーケティング手法を通じてプロダクト販売を拡大し、受託開発・保守によるストック収入の比率を高める計画です。さらに非連続的な成長手段としてM&Aも推進し、サービス領域の拡大や人材獲得を図ることで、短期的な獲得案件と中長期的なスケールの両立を目指しています。
同社は技術革新を事業競争力の源と位置づけ、生成型の人工知能など新たな情報処理技術を取り入れる取り組みを進めています。具体策として経営陣を含む全社での技術研鑽、外部専門家の招聘、学術機関との共同研究や業務委託を通じた新機能開発、既存プロダクトへのAI統合を推進し、「生成AIから得られる情報を考えるための材料として提供する」ことで人間の意思決定を拡張することを目指しています。また、機密情報を扱う事業特性を踏まえ、外部による定期的なセキュリティチェックやプライバシーマークの維持など、情報管理体制の強化にも継続的に投資しています。