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クオルテックJP:9165
事業内容
クオルテックは、電子部品の信頼性評価や微細加工、バイオ向けの検査・コンサルティングを主力とする企業です。同社は環境試験や電気試験、故障解析などの受託試験を中心に、試験装置の設計・製造・販売やパワー半導体向け評価装置の開発も行っています。
主要な顧客は半導体メーカーや自動車メーカー(電気自動車関連を含む)、基板メーカー、電子機器メーカー、医療・バイオ関連企業など幅広く、開発段階から量産段階まで対応しています。収益は試験・解析・加工といった役務報酬や装置の販売、品質コンサルティングの対価によって構成されています。
事業は信頼性評価事業、微細加工事業、その他事業の三本柱で構成されています。信頼性評価では再現実験や断面研磨などの前処理から解析まで一貫して行い、微細加工ではビルドアップ基板やフレキシブル基板の試作や量産向けのレーザ加工、表面処理の条件出しを手掛けています。同社はさらにバイオ製品の受託試験や品質指導を行うほか、パワー半導体や電池に関する研究開発にも注力しています。
経営方針
同社は売上高と売上高営業利益率を主要な経営指標と位置づけ、2030年頃の電気自動車(EV)市場の急拡大を見据えて成長を目指しています。特にパワー半導体、医療機器、二次電池といった分野での受託試験や解析需要の増加を取り込み、プロトタイプ段階での繰り返し試験を確実に獲得することで量産段階への継続受注につなげる計画です。2025年6月期には半導体向けの拡販で特定顧客依存度を低減する成果も出ており、今後は売上拡大と収益性向上の両面を重視していきます。
重点投資分野は、分析・評価・微細加工の装置と人材であり、表面処理や実装の開発にも注力しています。独立系の第三者検査機関として多様な試験ラインナップを有し、「Total Quality Solution」を提供できる点を差別化要因と考えています。国際標準であるISO/IEC17025の認定を取得・維持しており、堺市のパワーエレテクノセンター新設や2025年の設備投資、24時間受付・稼働体制、フェムト秒グリーンレーザ加工など高付加価値の装置導入を通じて顧客の高度なニーズに応えられる体制を整備しています。
同社は新市場開拓としてヘルスケア分野のバイオセンサやバイオ医薬品関連、半導体・通信・航空宇宙・再生可能エネルギーなど次世代成長産業をターゲットにしています。2025年7月に始動した独自のユニバーサルめっき法「MAPプロジェクト」では、低コストで安定供給が可能な環境配慮型のコーティング技術を開発し、通信や医療など幅広い分野への展開を目指します。営業面では熊本営業所の開設や北海道・東北・中四国の空白地帯への積極的な営業、マーケティング部を設置した販路拡大や展示会出展による技術PRを進めています。
技術革新には組織横断の連携と人材育成で取り組んでおり、2025年には事業部門と研究開発部門の連携チームを本格稼働させました。特殊解析や難加工材の加工といった同社の強みを維持・深化させるため、技術継承や専門技術者の採用・育成を重点的に行います。情報セキュリティや内部管理体制の強化にも注力しつつ、新規技術(MAPや特殊レーザ加工等)と設備投資で顧客の高度な要求に迅速に応えることで、同社は期待以上の提案ができる集団を目指しています。