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クオルテックJP:9165
沿革
1993-01 | 電子部品・半導体製造に関する技術(品質改善)コンサルティングサービスを提供する株式会社太洋テクノサービス(現 当社)を大阪府堺市に設立 |
1993-05 | ゲーム基板(ファミリーコンピュータ)の品質改善指導を開始 |
1994-10 | 本社を大阪市此花区に移転 |
1995-06 | SEM(電子顕微鏡)を導入(注1) 故障解析サービスを開始 |
1997-11 | 表面処理技術サービス(めっき試作)を開始(注2) ビルドアップ工法の研究を開始(注3) |
1998-05 | CO2レーザ加工機(注4)、UV-YAGレーザ加工機(注5)を導入(微細加工事業開始) フィルドビアめっき法確立(注6) |
2004-09 | 大阪府堺市に再移転、社名を株式会社クオルテックに変更し、信頼性評価事業を本格化 |
2004-10 | 実装材料・工法の研究と開発を開始 |
2006-01 | ISO/IEC17025規格の認証を取得し、自動車業界へ進出 |
2007-03 | NITE(製品評価技術基盤機構)よりilac-MRA(試験機関の国際相互承認)認定 研磨(試料作製)事業において月産10,000個体制の確立 |
2012-12 | 関東から東北地方への販売促進のため東京都大田区に東京テクニカルラボ設立 |
2014-10 | バイオ事業(ペットの遺伝子検査)を開始 二次電池の研究・EMC(電磁両立性)(注7)コンサルティングサービスを開始 |
2015-01 | パワーサイクル試験機(注8)の開発・販売を開始 |
2017-11 | 堺市堺区に本館(分析センター)竣工 |
2018-04 | CBC株式会社と自動車分野等における電子部品の安全を提供する信頼性評価ビジネスで業務提携 |
2019-05 | 自動車関連企業の要望に迅速に対応するため、愛知県豊明市に名古屋品質技術センター設立 |
2021-02 | 世界最大級の試験、検査、検証及び認証機関であるSGSグループ(本社スイス ジュネーブ)の日本法人であるSGSジャパン株式会社と合弁会社SGSクオルテック株式会社設立 |
2023-07 | 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
事業内容
クオルテックは、信頼性評価事業、微細加工事業、およびその他事業の3つの主要な事業セグメントを持つ企業です。信頼性評価事業では、電子部品の環境試験、電気試験、振動試験などの信頼性評価試験をはじめ、良品・不良解析、試験素材の切断や研磨加工、試験機の製造販売を行っています。特に、電気自動車のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に力を入れ、顧客の技術課題を解決するための再現実験や改善提案に取り組んでいます。
微細加工事業では、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板への試作・量産レーザ加工を提供しています。スマートフォンから医療機器まで、幅広い製品領域に対応し、技術的なニーズに応える体制を整えています。このセグメントは、新材料のレーザ加工性評価や短納期の試作品加工にも対応しており、その柔軟性が強みです。
その他事業では、遺伝子検査サービス、バイオ医療関連製品の受託検査、コンサルティング、表面処理技術などを手がけています。これらのサービスは、顧客の製品開発における高品質と信頼性の追求をサポートしています。
加えて、クオルテックは研究開発部門も有しており、「パワー半導体とオートモーティブ」をキーワードに、パワー半導体の接合不具合要因の解析、ボイドレスはんだの開発、高温接合に適したはんだめっき技術の開発、自動車の電動化に関連する技術開発など、先進的な研究に取り組んでいます。これらの活動は、市場のニーズに応え、新たなビジネスチャンスを創出することを目指しています。
経営方針
クオルテックは、自動車業界のパラダイムシフトに対応し、信頼性評価事業を中心に、微細加工事業やその他の事業を展開しています。同社は、技術力の向上と市場ニーズへの迅速な対応を目指し、継続的な成長戦略を推進しています。
自動車業界におけるCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)の進展を背景に、電動化と自動運転技術の普及が進む中、クオルテックは信頼性評価事業において、電動車や自動運転に関連する車載機器の信頼性評価の需要が増加していることに注目。同社は、独立系検査会社としての強みを活かし、幅広い試験ラインナップを提供することで、顧客の多様なニーズに応える「Total Quality Solution」を実現しています。
また、微細加工事業では、5Gや将来の6G通信技術の普及に伴う高速通信が可能な通信機器や自動運転システムへの需要増を見据え、特殊な材料の加工や特殊な工法が可能な技術力を強みとしています。これにより、医療機器などの新たな市場への進出も視野に入れています。
さらに、その他事業では、遺伝子検査サービスやバイオ医療関連製品の受託検査、表面処理技術などを通じて、顧客の製品開発をサポート。これらの事業を通じて、クオルテックは社会に貢献し、持続可能な成長を目指しています。
経営戦略として、クオルテックは技術力の向上、新規事業の醸成、優秀な技術者の採用と育成、営業体制の強化などに注力。これらの取り組みを通じて、市場の変化に柔軟に対応し、競争優位性を確保することを目指しています。